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マンU番記者が興奮「ミトマのビッグクラブ移籍は時間の問題だ」ブライトン三笘薫がマンUサポーターを黙らせた日「最後に三笘は現地記者を笑わせた」 

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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posted2025/01/22 19:58

マンU番記者が興奮「ミトマのビッグクラブ移籍は時間の問題だ」ブライトン三笘薫がマンUサポーターを黙らせた日「最後に三笘は現地記者を笑わせた」<Number Web> photograph by Getty Images

1月19日、マンU戦。勝ち越しゴールを挙げ、ミンテと抱き合う三笘薫(27歳)

 シティとユナイテッドの名門2クラブを担当する敏腕ジャーナリストは、三笘の活躍を目の当たりにし、まくしたてるように話した。

「ミトマは非常に危険な選手だった。自信が漲っていて、正直、私も見ていてワクワクした。ユナイテッドからすると、彼を抑える必要があったはずだが、無理だった。対峙した右WBのマズラウィはまったくミトマを止められなかったね。このモロッコ代表は昨夏の加入以来、ずっと安定感があったが、別人のようにやられ続けた。得点場面のミトマは、クロスボールに合わせる際に力強さを見せた。対人守備に強いはずのマズラウィをモノともせず、最後は彼の前に強引に入ってクロスを押し込んだ。素晴らしかったよ。1対1の局面でも怖さを感じたし、アシスト場面のように局面局面の状況判断も優れていた。たしかに、今のユナイテッドは良くないが、その事実を差し引いても”避けられない”脅威だった。今のプレーを続ければ、次のステップ、つまりビッグクラブへの移籍は時間の問題だろう」

“1回だけ”記者団を笑わせた

 今季4点目を決めた前節のイプスウィッチ戦後には、三笘が笑みを浮かべて取材エリアに現れた。2試合連続となる今季5点目、しかも日本人記録を更新したこの日に、どんな表情を浮かべるのか注目していたが、三笘に笑顔はなかった。だが、敗戦後の厳しい顔とも違う。まだまだ上を目指すという向上心に満ちた彼の言葉を表すかのように、どこかスッキリした顔つきだった。

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 ただ一度だけ、三笘が記者団を笑わせた一コマがあった。それは試合終了後のセレブレーションについて尋ねたとき。新戦力のジョルジニオ・ルターが中心となり、選手たちがサポーターと一緒に「オイ!オイ!」という掛け声で盛大に勝利を祝った。三笘も後方からその輪の中に加わり、両手を挙げて喜んでいた。

 ムードメーカーのフランス人ルターや、オランダ代表DFヤン・ポール・ファンヘッケが一人ずつ選手たちの前に立って先導し、次々と観客を煽る。筆者は「次に、三笘が単独で先導するのでは?」と密かに期待していたが、日本代表はセレブレーションで皆の前に立つことはなかった。そこで聞いてみた。「三笘選手、セレブレーションをリードするつもりはなかったのですか?」。すると三笘は質問に対して食い気味に「いや、行かないっすね」と即答。絶妙な間で表情ひとつ変えることなく答えたため、記者団は思わず笑いに包まれた。もちろん、三笘本人に記者を笑わせるつもりは毛頭なかったはずだが、シャイな性格の三笘らしい返答だった。

◆◆◆

 子どもの頃、三笘は日本のテレビ番組を通じて欧州サッカーに触れていた。レアル・マドリーやバルセロナのプレーにも魅了されていたが、なかでも熱視線を送っていたのが、当時クリスティアーノ・ロナウドやウェイン・ルーニーを擁したマンチェスター・ユナイテッドだった。

 そのマンチェスター・Uとの一戦で、偉大な記録を打ち立てた三笘薫。しかも10代前半の多感な時期に、羨望の眼差しを向けていた「夢の劇場」オールド・トラフォードで偉業を成し遂げた。

 しかし、本人は言う。「もっともっと、点を取らないといけない」。新記録は通過点で慢心することなく、もっと上へ──。そう、三笘の伝説はまだ始まったばかりなのだ。

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