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マンU番記者が興奮「ミトマのビッグクラブ移籍は時間の問題だ」ブライトン三笘薫がマンUサポーターを黙らせた日「最後に三笘は現地記者を笑わせた」
posted2025/01/22 19:58
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Getty Images
「ファビアン・ヒュルツェラー監督が、ウインガーに課している最重要タスクは何ですか?」
ブライトンの三笘薫にこう尋ねたことがあった。それは、新年最初の1月4日に行われた強豪アーセナルとの一戦。この試合で三笘は2試合連続のベンチスタートを命じられていた。結果は1−1の引き分け。試合結果もさることながら、三笘は途中交代での出場だったこともあり、取材エリアで終始険しい表情を見せていた。
ベンチスタートの選手に、「監督が最も求めていることは?」と問いかけるのはこちらも心が痛むが、三笘は短くこう答えた。「ゴールを決めることと、強度の高い守備をすることだと思います」。
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「夢の劇場」と呼ばれるオールド・トラフォードで1月19日に行われた、マンチェスター・ユナイテッドとの一戦。三笘がプレミアリーグの日本人最多ゴール記録を更新したこの日、現代サッカーでウインガーに求められる2つのタスク、すなわち「結果を出すこと」と、「強度の高い守備をすること」の両方を見事に完遂した。三笘は1ゴール、1アシストの活躍を見せ、強度の高い守備でもチームを支えたのである。3−1の勝利に貢献し、プレーヤー・オブ・ザ・マッチを2試合連続で獲得した。
「2人はジャンプして抱き合った」
ブライトンの先制点は、三笘がもたらした。
守備的MFのカルロス・バレバがボールを持つと、三笘はDFラインの背後に勢いよく飛び出した。ロングパスの勢いを柔らかいタッチで止め、ペナルティエリア内にボールを運ぶ。絶妙なトラップに、三笘は「シュートとパスの2つの選択肢を作れたので、あそこで勝負がついたと思います」と自画自賛した。
当然シュートを打つオプションもあったが、三笘はファーサイドを走るヤンクバ・ミンテへのパスを選んだ。「シュートを打つことも考えましたけど、横にいたミンテがフリーだったので、そっちの方が確率は高いかと」。ミンテがネットを揺らすと、2人はジャンプして抱き合った。
「ずっと話していたこと」「2人の関係が良かった」
そして歴史的な記録更新の瞬間は、後半15分に訪れた。