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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
久保建英「CLなら…あれで笛は鳴らない」スペイン語で無念を吐露した“マドリー戦幻ゴール”…カメラマンが見続けた“タケ22歳の素顔”
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2025/01/13 17:20
ラ・リーガで顔の1人となった久保建英。2024年を振り返ると波乱万丈だったことがわかる
「ベストのラ・レアルが必要、サポーターが信じてくれる限り戦い続けます」
しかし相手エース、キリアン・エムバペのゴールでチームは早々に勢いを失ってしまう。詰めかけたサポーターを前に終了間際、久保がキッカーとなったコーナーキックからのゴールで意地を見せたが、1-2で敗戦。久保にとって初のCLが終わった。
俯いた久保は、しばらく動くことができなかった。
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欧州トップレベルを知りたいと、CLの舞台を熱望していた久保だっただけに、一際大きな悔しさを感じさせた。国王杯とCLで立て続けに敗退したソシエダはこのままリーガでも順位を落としていくのかと思われたが――来季欧州カップ戦の参加権を獲得するという目標のもとで、一丸となった。
テーピング…体は悲鳴を上げていた
この時期、日本代表ではW杯アジア予選が始まった。3月の代表ウィークでは、北朝鮮との連戦のうちアウェイでの試合が中止に。ホームでの1戦目で出番のなかった久保は長距離の移動を強いられただけになってしまった。30節のアラベス戦では、前半42分にピッチへ倒れ込み交代を余儀なくされた。その際には、今シーズンからチームメイトとなるハビ・ロペスや元恩師ルイス・ガルシア監督が心配そうに声をかける姿があった。
実は、23年の年末頃から久保の身体にはテーピングが目立つようになっていた。シーズン序盤にはリーガ月間MVPに選ばれる活躍を見せたが、終盤戦にかけてのフル稼働に加え、長距離移動と時差により久保の身体が悲鳴を上げているのは明らかだった。
ソシエダはPSG戦以降は3連勝と好転したと思われたが、2戦連続で格下に引き分けてマドリー戦を迎えた。当時のマドリーはリーグ優勝をほぼ手中に収め、CLでも準決勝に進み好調を誇示していた。そんな白い巨人に対し、久保のシュートがネットを揺らした。マドリーに先制された直後、相手CBをキックフェイントでかわしてからの右足での反撃の狼煙に、会場は大いに盛り上がりを見せたが、VARによって取り消しとなった。
「あのプレーで…」スペイン語で口にした無念
ソシエダが主導権を握りながら、痛い黒星となった試合後のインタビューで、久保はスペイン語で無念を口にした。