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「オオタニとは交渉もできなかった」ヤンキースGMが“過去の大谷翔平移籍”に恨み言…佐々木朗希“交渉期限は残り3週間”、米メディアが報じた「ドジャースではない…本気の2球団」
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生島淳Jun Ikushima
photograph byJIJI PRESS
posted2024/12/27 17:14
佐々木朗希(23歳)は来年1月15日~23日にMLB球団と契約を結ぶとみられる
クリスマスを前にして、ヤンキース、メッツ、カブス、そしてホワイトソックスと面談したことがアメリカの各紙によって報じられている。
ドジャースがフロントランナー、有利な立場にいるとされているが、「それだけは許すまじ」ということで、本気で獲得交渉に乗り出していると見られるのが、パドレスとヤンキースだ。両軍とも、今季のポストシーズンでドジャースに苦杯を舐めさせられた。
特にパドレスは”Full Court Press”、バスケットボール用語で言うところの「全力で最前線から当たっていく状態」という表現がメディアで見られ、リソースを最大限に投入する覚悟があるようだ。
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MLB.comのAJ・カッサバル記者は、パドレスのマイク・シルト監督が、「わが軍は、佐々木との契約に向けて好位置につけていると思う」と話したことを紹介している。その理由として……。
「われわれはサンディエゴに本拠地を構え、毎試合、完売する熱狂的なファンに支えられている。加えて戦力も整っている。佐々木にとって、フランチャイズ初のワールドシリーズ優勝に貢献し、レガシーとなるチャンスがあるのがパドレスだよ」
なるほど。「球団史上はじめて」というのがパドレスの売り文句になる。
加えてカッサバル記者は、ダルビッシュ有の存在が、佐々木にとって大きな要素になり得るとする。シルト監督も、
「有は交渉の段階で、力になってくれると思う。それがどの程度になるかは、有次第だが」
と期待を寄せている。
アメリカの場合、大きな契約を結ぶ場合、そのチームのリーダー格の選手が交渉の席に同席することが珍しくない。ダルビッシュがどんな役割を果たすのか、とても気になるところだ。
日本メディアへの“苦言”
そしてもうひとつ、サンディエゴにはメリットがあるとカッサバル記者は書く。それはサンディエゴが中規模のマーケットの都市であることだ。
佐々木の代理人であるジョエル・ウルフ氏は、12月上旬に行われたウィンター・ミーティングでの会見で、こう話している。
「朗希はこの数年間、メディアとの間で難しい時間を過ごした。明確にしたいのは、そのメディアとはアメリカに拠点を構える日本メディアではなく、日本を拠点とするメディアのことだ。彼らは朗希に対して非常にタフだった」
「彼はメディアと良好な関係を築くことができなかった。個人的な意見を申し上げると、少しアンフェアだったと感じるし、それが彼のメンタルに少なからず影響したのではないか」


