プロ野球PRESSBACK NUMBER

巨人OBがズバリ「田中、甲斐…大型補強でも巨人が優勝候補筆頭ではない」“キャッチャー多すぎ問題”に本音「(小林誠司は?)人的補償、誰が外れてもおかしくない」 

text by

曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

PROFILE

photograph byJIJI PRESS

posted2024/12/26 17:36

巨人OBがズバリ「田中、甲斐…大型補強でも巨人が優勝候補筆頭ではない」“キャッチャー多すぎ問題”に本音「(小林誠司は?)人的補償、誰が外れてもおかしくない」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

菅野智之(35歳)と小林誠司(35歳)。菅野がオリオールズに移籍したため、“スガコバ”は解散となった

小笠原 過去に何回もサプライズがあったように、人的補償は誰が外れても不思議ではない。球団側が「この選手はプロテクトから外しても選ばれないだろう」と思っていても、指名される場合もあります。こればかりは双方の球団の考え方次第なので、結果が出てみないとわからない。誰かひとりをクローズアップするのは、偏った見方になる。監督以下、球団のごく一部の人にしか本当のところはわかりませんよね。一般論として、選手が多ければ多いほど外れる選手は出てくる。プロテクトを外さざるを得ない状況もあるとは思います。

――打撃力のある大城選手ですが、来季の起用法はどうなるでしょうか?

小笠原 彼の特長を活かそうと考えれば、今年のような起用法(一塁と捕手の兼用)になるかもしれませんね。「ファーストもキャッチャーもできるバッティングのいい選手」であれば、チームとしては他の選手に一枠使えますから。

ADVERTISEMENT

――捕手として最多の79試合に出場した岸田選手としては、難しい立ち位置になります。

小笠原 試合数では今年がキャリアハイですが、彼はまだまだ成長する。甲斐が入ってきて違ったパターンを目の前で見ることで、新たな気づきもあるでしょう。とはいえ、本人としては「レギュラーをとるんだ」という意識でやらなきゃいけない。選手ごとにいろいろな働き方はあるけど、やっぱり野球選手はみんなレギュラーを目指していますから。一度は控えに甘んじても、次のチャンスを狙っていると思いますよ。

大型補強でも「巨人が一歩リードとは言えない」

――そもそもなぜ巨人はセ・リーグを制したにもかかわらず、積極補強に動いているのでしょうか。

小笠原 たしかに優勝はしましたけど、他のチームの失速に助けられた面も大きい。どこが勝ってもおかしくなかったのが今年のセ・リーグだと思います。だから補うべきところを精査して、補強に動いた。特に中継ぎ陣は若干不安定な部分があって、毎日毎日なんとかやりくりしていた印象ですからね。前編でも話しましたが、個人的にはライデル・マルティネスが一番大きな補強だと思います。

――来季の巨人は優勝候補筆頭と言えるでしょうか?

小笠原 絶対的とは言い切れないと思います。マルティネスがいても、リードを築いて彼をマウンドに送るところまで持っていくためには、得点能力をもっと上げなければいけない。現時点でジャイアンツが一歩リード、とは言い難いですね。横浜にもあれだけの打撃陣がいますし、広島も今年悔しい思い(9月を首位で迎えながら4位に転落)を味わった怖さがある。もちろん阪神もそうです。

――これだけの大型補強をしても、ですか。

小笠原 大型補強をしてうまく回らなかったことは過去にもありますからね。逆に、戦力のバランスがそれほど整っていなくても勝ったチームもある。いずれにせよ、補強選手頼みはよくない。菅野を除いたほとんどの選手が残っているわけですから、セ・リーグを制した今年の経験を活かせば、いい戦いができるでしょうね。

<前編《投手補強》編から続く>

#1から読む
元巨人コーチが本音評価「巨人は田中将大で“何勝勝てる”計算はしてないはず」小笠原道大が語る「一番大きな補強はライデル・マルティネスでしょう」

関連記事

BACK 1 2
#読売ジャイアンツ
#田中将大
#小笠原道大
#菅野智之
#ボルティモア・オリオールズ
#坂本勇人
#ライデル・マルティネス
#中日ドラゴンズ
#大勢
#甲斐拓也
#岸田行倫
#大城卓三
#小林誠司
#阿部慎之助

プロ野球の前後の記事

ページトップ