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「ビール売り子のほうが収入は安定してましたが…」身長173センチ、7戦全勝…中日の人気売り子だったRiNRiNがキックボクサーに“異例の転身”したワケ
posted2025/07/05 11:02

中日の二軍球場を中心にビール売り子として愛されたRiNRiNさん。キックボクサーに“異例の転身”したワケとは…?
text by

曹宇鉉Uhyon Cho
photograph by
L)本人提供、R)HoostCup
◆◆◆
――ビール売り子の仕事に情熱を注いでいたRiNRiNさん(rrph_759)が、キックボクサーとしてプロの道に進んだ理由を教えていただけますか。
RiNRiN 売り子の仕事をしながらもアマチュアキックは続けていたんですけど、ジムにいるプロの先輩がすごい練習をしてきているのを見ていたので、生半可な気持ちじゃできないな、と。ただ、25歳になったら売り子の仕事について一旦考えようと思っていたんです。ちょうど会社の形態が変わったことも重なって、売り子を続けるのか、キックを本気でやるのかを考えて、ジムの先生に「プロになりたいです」と伝えました。
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――2023年4月にナゴヤ球場の売り子を引退。その翌月にはプロデビューを果たしていますね。
RiNRiN たまたま売り子を辞める時期に試合のお話をいただいて、運よくトントン拍子で決まりました。ただ、デビューするときは「年間3試合もできないかもしれないね」って話だったんですよ。私けっこう身長が大きいので、体重的な理由で相手がいなくて。
――結果的にデビューから約2年でプロ7戦7勝(3KO)という実績を残していますが、ここまで順調に勝ち進めるとは想像していませんでしたか?
RiNRiN どの試合も「絶対勝てる」という確信はなかったです。どちらかというと、「自分を超えよう」とか「自信はないけど、いままで以上に努力はしてきた」みたいな気持ちで乗り切ってきました。ただ、最近は「ここまで来たら勝つのはマスト。負けは許されない」と思うようになりました。
「小学生の頃は、ほとんど勝てない選手だった」
――2024年12月にはあのピーター・アーツの娘であるモンタナ・アーツ選手と対戦して完勝。RiNRiNさんが173cm、モンタナ選手が174cmと、体格的にも見応えのある試合でした。
RiNRiN あの試合はけっこう気を張って挑みましたね。いざ戦ってみると「大丈夫だな」って感じでした。
――足を上げたところから軌道を変えるような独特なハイキックはバックボーンの空手が影響しているんでしょうか。
RiNRiN いや、ただ下手くそなだけなんです(笑)。私としては普通の回し蹴りのつもりなんですけど、試合のあとに「変則的だね」って言われたりして……。小学生のころから習っていた空手でもホントに落ちこぼれみたいな感じで、ほとんど勝てない選手だったんですよ。それこそハイキックが入らないと負け、みたいな。