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「ミトマにドウアン、クボ…今は欧州で韓国以上の評価だ」トルシエが“世界トップ級”と断言「日本サッカーのエコシステム」その正体とは
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/12/15 11:05
アジアで圧倒的な実力を見せている日本代表。トルシエは“強豪国並み”のエコシステムを構築したと高く評価する
「世界最高のエコシステムはどこか。スペインなのかフランスなのかイングランドなのかドイツなのか……。日本はそうした国々とほとんど差がない。日本を含めたそれらの国々が、世界最高のエコシステムを持っている。
サッカーのエコール(流派)や指導者の養成ではフランスとスペイン、ドイツが最高。その3カ国がトップ3で、日本はトップ5に入っている。日本で監督をやっていたときから私は、日本人選手は世界のトップ5に入ると言い続けてきた。テクニックやメンタルにおいて、日本人は世界のトップレベルにあると」
世界のトップ5に入るまでに押し上げた
――私もよく覚えています。当時は本当にそうだろうかと思ってはいましたが(笑)。
「日本のエコシステムが、世界のトップ5に入るまでに日本を押し上げた。では日本とフランス、コロンビア、セネガルとの違いはどこにあるのか。それは比較の問題ではなく、それぞれの国に文化や食事、宗教、気候、インフラストラクチャーなどと結びついた独自のエコシステムの問題であり、アイデンティティの違いに過ぎない。
日本人はイタリア人ではないし、イタリア人はドイツ人ではない。日本がイタリアより劣っているとは言えないし、メキシコやドイツより劣っているわけではない。そんなことは言えない。恐らくは歴史の違いであるからだ。サッカーに関して、フランスやイングランドと日本は歴史の長さが違う。だが具体的な違いについては、残念ながら私もうまく説明することができない。
ドクターが来るからそろそろ終わりにしたい。それでは」