「評価してもらえるのはありがたいです。ただ、自分の中では課題がたくさんあるので、評価に対して何か思うことは特にないというか……。今は自分のやるべきことを淡々とやり続けるだけです。

　良い時もあれば、悪い時もある。今は良い時なのかもしれないですが、ここから体力的にキツくなって、良いプレーを出せなくなる時も出てくる。その中で、いかに1年間継続してやれるかということだと思う。

　シーズンが終わった時に、チームの最終順位と、チームにどれだけ貢献できたかというところが大事になる。（加入直後の）スタートでは最初ベンチスタートは当たり前ですけど、個人的には、試合に出始めてからある程度、周囲の信頼を掴めたと思っています。だけど、まだシーズンは3分の1が終わったところ。どれだけやり続けられるかが大事かなと」

地元ニュース「昇格、タナカがキープレイヤーだ」

　田中は質疑応答に淡々と応じたが、声を弾ませた瞬間があった。「これだけ中盤をコントロールできているのだから、今すごく楽しいんじゃないですか？」と尋ねたときだ。田中は「そうですね」と間髪入れずに答えた。イタリア代表MFウィルフリード・ニョントやウェールズ代表MFダニエル・ジェームズ、アメリカ代表MFブレンデン・アーロンソンなど、中盤2列目の各国代表アタッカーを動かしていることに喜びを感じているという。

「2列目に良い選手がいっぱいいるので、そこは楽しいです。だけど、やっぱり上には上がいるので。ここで満足せず、より高いレベルを自分に課していかないといけないかなと思っています。

（記者：リーズのホームスタジアムで、田中選手から良いパスが出ると、大きな歓声と拍手が沸き起こります。サポーターのリアクションをどう感じていますか？）

「やっていて楽しい。でも、勝たなければいけない。勝つことでそうした声が心地よくなる。結果を出すことが大事かなと思います」

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　クラブ情報サイト『MOTリーズニュース』が「プレミア昇格には、タナカの出来が大きく関わってくる」と伝えているように、地元メディアは「キープレーヤー」として26歳MFに大きな期待を寄せる。

　だが、田中が強調していたのは「一喜一憂しない」という言葉。 目標は来季のプレミアリーグ昇格で、むしろ道のりはまだまだ長いと気を引き締める。焦らず、驕らず、一歩一歩前へ――。ひとつひとつ勝利を重ねていくことに集中したいと力を込めていた。