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英国記者が絶賛「アオはリーズの王様だ」日本人が知らない、“イギリスで評価急上昇”田中碧26歳の今…本人が現地記者に語った「やっていて楽しい」
posted2024/12/04 11:30
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Getty Images
リーズの田中碧が好調だ。
夏の移籍市場でドイツ2部のデュッセルドルフからイングランド2部のリーズに加入すると、9月までのリーグ4試合はベンチスタートに留まった。ところが10月頭までに、それまでレギュラーを務めていたセントラルMFの2人が負傷。田中が10月1日のノリッジ戦からスタメンに名を連ねるようになると、ここから快進撃が始まった。
5試合で先発出場した10月はクラブの月間最優秀選手に選ばれ、試合単体で見ても、10月22日のワトフォード戦と11月2日のプリマス戦で、ファン選出のマンオブザマッチ(MOM)を受賞。10月18日のシェフィールド・U戦でリーグ選出のMOM、11月24日のスウォンジー戦でも英衛星放送スカイスポーツのMOMに輝き、そのスウォンジー戦では16節のリーグ・ベスト11に入った。チームが勝利する度に、個人賞をほぼ獲得しているという大活躍を見せているのだ。
「アオは今、リーズの王様。中盤を完全に支配している」と語るのは地元紙『ヨークシャー・ポスト』のジェームズ・オブライエン記者である。同記者は次のように語る。
「負傷者が出たことで、アオに先発のチャンスが突然回ってきたが、彼がスタメンに入ると、チームパフォーマンスは断然良くなった。ここまでの出来には本当に驚いている。日本代表MFは技術と判断力、創造性に優れ、あらゆるエリアで貢献している。パス成功率が高く、ボールを失わない。それでいて守備でも存在感を示している」
「オォ」地元ファンが太い声
11月27日に行われたリーズ対ルートン戦で、田中はオブライエン記者の言葉通りのパフォーマンスを披露した。
田中のポジションは4-2-3-1のセントラルMF。中盤「2」の位置でコンビを組むのはイングランド人MFのジョー・ロズウェルで、立ち位置はロズウェルが前方、田中がそのやや後方である。田中はアンカーの位置に入り、文字通り「攻守の要」として機能した。
目についたのは、田中の優れたサッカーIQと判断力、そして確かな技術だった。
例えば、チームが最後尾からビルドアップを始めると、田中は相手FWの枚数やポジション取りに合わせ、立ち位置を自在に変える。あるときはCBのちょうど真ん中に入ったり、またある時はSBに近いエリアまで降りてパスを受けたりと、ポジションを臨機応変に動かす。おかげでリーズは、後方部で数的優位を維持しながらビルドアップをスムーズに行うことができた。