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「クボは守備が力強くなったが、まだダメだ」中2日フル出場MVP久保建英へ辛口の愛…“ソシエダ会員歴44年”ホテルマンと「試合後つった足」
posted2024/12/05 11:00
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
12月1日のラ・リーガ15節、久保建英の所属するレアル・ソシエダはホームでベティスと対戦、2-0の勝利を収めた。順位上、直接のライバルからの勝利で9位に浮上している。この試合の撮影のため、スペイン北部バスク州のサンセバスチャンへ向かった。
今シーズン低調なスタートを切ったソシエダは、特にホームで勝ちきれていない。前節終了時でホームの勝ち数は2試合のみ。スタジアムへ詰めかけるサポーターの眼前に多くの勝利を届けられずにいた。ただ13節バルサ戦での快勝を皮切りに、今節直前に行われたEL・アヤックス戦とホームでの3連勝を遂げ、ここにきて復調の兆しを強くしている。ただ今節ベティス戦も「2-0」という結果ほどの快勝を見せられたわけではなかったが――。
守備が力強くなった。ただクローズされたゲームでは…
撮影前、スタジアムにほど近いホテルでチェックインの手続きをしていると……。
「今日は、サッカーだろ?!」
こうホテルマンが聞いてくる。久保の取材を続けるうちに、多くの場所を訪れたゆえ、何度も「サッカーを見にきたんだろ?!」との質問を受けた。久保が試合を行う日に、その場所を訪れた日本人を見ると、久保の試合を見にきたのだろうと、簡単に想像できるほど久保の活躍は定着しているのだろう。
話を続けると、なんと44年来のベテランのソシオ(クラブ会員)らしい。
「今日は仕事でスタジアムに行けないけど、いつも行っているんだよ」
「久保は、すごく良くなった、攻撃的な選手だけど、守備が力強くなった」
「でもクローズされたゲームはまだダメだ。バルサ戦のようなオープンなゲームでは輝くんだけど」
長年チームを後押ししてきただけに、優しさと厳しさを言葉の隅々に感じさせる。そしてその分析は、今節をそのまま予見したかのような内容だった。
キックオフ前、久保らが背番号3ユニを着ていたワケ
キックオフは21時、日中には海岸都市特有の湿気を含んだ生暖かさがあったが、この時間になると引き締まった寒さを感じさせた。
ソシエダは直近に行われたELアヤックス戦から中2日でこの試合を迎えた。久保は、アヤックス戦で1ゴール1アシストの活躍。87分までプレーして、チームに貴重な勝利をもたらしていた。
久保の起用については、中2日ということでローテーションの可能性も考えられたが、ベティス戦でも先発として登場した。