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「あの身長2m天才セッターとニコッ」石川祐希“待望CLデビュー”顔面直撃ハプニングも…常勝軍団ペルージャに馴染んだ3カ月
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byTakashi Yuge
posted2024/11/16 17:01
チャピオンズリーグデビューを飾った石川祐希(28歳)
13日、ペルージャはホームアレーナ「パラ・バルトン」での開幕戦にチェコ王者を迎え撃った。
2人の先発OH(アウトサイドヒッター)は石川とプロトニツキが組み、司令塔ジャンネッリにOP(オポジット)エレーラ、ルッソとロセルのMB(ミドルブロッカー)コンビを合わせた6人がコートに立った。
平日の夜とあって観客の入りは6割強といったところ。ただし、地元ファンにとっては待ちに待った欧州の舞台だ。会場名物のメタルテープシャワーの後、応援コールやドラムを叩く腕に一層力が入る。
反撃の口火を切った石川のスパイク
試合はホームのペルージャ優位の予想を覆し、第1セット序盤からチェスケがくらいついた。1000km以上の遠征距離をものともせず粘り強いディフェンスを見せ、ペルージャからポイントを奪う。鋭いレフトスパイクが石川の顔面を直撃するハプニングもあった。
だが、ペルージャは崩れない。
サイドアウトが欲しい局面ごとに200cmの天才セッター、ジャンネッリの急角度ツーアタックやMBルッソの速攻で流れをきっちり取り戻す。第1セットは25-16で先取した。
第2セットもリードを許すが慌てず騒がず、9-11の場面でジャンネッリの落ち着いたセットを石川がレフトからきっちり決めて反撃の口火を切った。ラリーの決定打を託し託される2人に、会心の笑みがこぼれる。
ペルージャの強さの理由の一つは、試合中の“修正力”にある。チェスケ戦でも序盤に乱れたレセプションや浮ついていたサーブを選手の一人ひとりがゲーム中にきっちり修正してきた。第3セットではOHプロトニツキ、MBロセル、OPエレーナの3人が効果的にサービスエースを奪っている。
「うちがサーブで攻めていけるときは相手のセッター(の配球)をきつくできる。サイドがしっかり機能できればブレイクできる」(石川)
接戦に持ちこまれた第3セットも25-22で制して、ペルージャはCL開幕戦をストレート勝ちで飾った。決勝トーナメント進出にはグループリーグ6試合での得セット率が重要になるため、上々の滑り出しといえるだろう。