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核心にシュートを!BACK NUMBER
「篤人さん、上手かったので」DF町田浩樹の“内田先輩と鹿島イズム”がアツい…日本代表をもっと強くするため「属人的にならない仕組みを」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/11/13 17:01
日本代表3バックの主力として定着した町田浩樹。彼が考えるチーム向上のポイントとは
「前半は相手3トップのプレスを外そうという意識が強くなりすぎて、後ろが重くなってしまいました。押し込む時間帯が長いのに、あまりチャンスを作れなかったですよね。ハーフタイムには、ボランチの2枚にもう少し高い位置でボールをかかわってもらうためにはどうしたらいいか考えていました」
田中碧の提案を実践…オーストラリア戦の試み
その中で責任感をもって、ある提案をした選手がいる。
「(田中)碧から『守田(英正)くんが真ん中に落ちるより、自分が左に落ちたほうが良いのではないか』という話があって……」
そこから守田らをまじえて話しながら、解決策を模索していった。その結果、後半になってから田中が町田の左斜め前に出て、町田が前半よりも内側(リベロの谷口彰悟寄り)にポジションを取るようになった。
その変更が直接的にゴールにつながったわけではない。だが後半に入って変化は起きていった。まるで、「あるところでの変化が、最終的に大きな変化をうながす」バタフライエフェクトのように。(https://number.bunshun.jp/articles/-/863452)
「自分たちの立ち位置やプレーエリアを変えたことで相手の対応が変わりましたからね。結果的に良い変化を作れたかなと感じました」
町田が、田中からの提案をスッと受け入れた理由は2つあった。
1つ目が、守備のバランスを考えたからだ。
「もちろん、僕がサイドに開くという選択肢もあるのですが、それだとアンバランスになり、相手の反撃を受けたときのリスクも上がる。攻撃の良さと奪われた時のリスクマネジメントから、碧の言った通りボランチを高い位置にした方が良いなと感じました」
内田が得意としてきたことは、町田に継承されている
もう1つが、田中と長い期間、ともにプレーしてきた経験則からだ。
「東京オリンピックのチームで一緒にやっていたときには、碧はあそこに出たいタイプだなと感じていた。僕も開いて受けたいタイプではあるのですが、彼のやりやすいようにプレーしてもらうことがチームにとってプラスになるのだろうとは考えました」
このあたりにも、「内田イズム」とも「鹿島イズム」とも表現できる、町田が受けてきた教育の成果がにじみ出ている。