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サムライブルーの原材料BACK NUMBER
「まさかの2回連続追加招集された男」柏レイソル・関根大輝が代表経験で持ち帰ったもの…レベルが上がるたびに「急成長できる理由」を語る
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/11/09 11:01
「大学生Jリーガー」として柏の定位置を確保する関根。パリ五輪、A代表、残留争い……激動の1年の成長曲線を語った
「あのラストワンプレー、ボールを取り切れるくらいに行かなきゃいけないと思っています。本当にちょっとした隙が、自分としては出てしまった。A代表に行って、本当に細かいところが大事だなっていうのは凄く感じています。取れるところを一つ逃がしたら取れなくなるし、気を抜いたら簡単に裏を取られてしまう。代表で菅原(由勢)さんに話を聞くと『プレミアは、一瞬気を抜いただけでやられる』と言っていましたし、試合が終わるまでずっと集中しなきゃいけないっていう思いで代表から帰ってきてやっているので。自分としては一瞬たりとも隙はつくりたくないんです」
隙というレベルでもなければ、気を抜いたようにもまったく映らない。しかし判断基準をA代表に置くと、ミスの範疇になると関根は解釈している。クロスを思うように上げさせないことではなく、ボールを奪うことを最低限のラインに引き上げていた。
追加招集から1時間で向かったA代表
A代表を経験した前と後では意識がまったく別次元。あの短時間でA代表としての意識をしっかりと己に植えつけてきたことがさらなる成長の呼び水となっている。
それは思いもよらない通達だった。
10月5日、横浜F・マリノスにホームで勝利した後、高井幸大のケガによって追加招集でのA代表入りが告げられた。あまりに急だったため1日遅れの出発でも良かったそうだが、すぐに自宅に戻ってパスポートをピックアップし荷物を素早くまとめると、連絡を受けてからわずか1時間後にクラブハウスを出発して羽田空港に向かった。
無論、パリオリンピック後はA代表入りを目指してきた。ケガもあって9月シリーズは呼ばれずに悔しさが胸に広がった。チームの戦いに集中しつつ、森保一監督はじめ代表スタッフの目を意識してきただけに、追加招集の知らせに心のなかで小さなガッツポーズをつくったことは容易に想像がつく。