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「ディープインパクトに武豊が乗っていなかったら…」調教師が明かす武豊の“神騎乗”「思わず二度見、三度見したほど驚いた」早業とは? 

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片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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posted2024/11/05 17:06

「ディープインパクトに武豊が乗っていなかったら…」調教師が明かす武豊の“神騎乗”「思わず二度見、三度見したほど驚いた」早業とは?<Number Web> photograph by Photostud

通算4500勝以上を積み重ねてきた武豊の神騎乗とは何か? 親交の深い元騎手・現調教師の二人が明かした

 千田は多くの勝ち鞍を稼ぎ出すジョッキーではなかったが、調教騎乗によって多くの名馬の背中を知っており、それが調教師のキャリアに生かされている。

 伊藤雄二厩舎の所属馬ではスカーレットブーケ('88年生まれ、牝、父ノーザンテースト)が唯一の重賞勝ち('92年京都牝馬特別)。同馬は顔の大流星が少し曲がっていたことから「バナナ」の愛称で呼ばれていたが、4つの重賞勝ちが的場均、武豊、千田、柴田政人とすべて違う騎手だったという珍しい記録も残している。「神騎乗なんか要らない、乗りやすい馬だったということでしょう」と千田は懐かしがった。ちなみに、スカーレットブーケは繁殖牝馬としてさらに大成功を収め、ダイワメジャー、ダイワスカーレットと、2頭のGIホースを世に出している。

「武豊の神騎乗といえば、なんと言ってもウオッカ('04年生まれ、牝、父タニノギムレット)の天皇賞・秋('08年)でしょう。逃げたダイワスカーレット、差し脚を伸ばしてきたディープスカイと並んでの3頭の競り合い。豊さんは右手にステッキを持って追っていたはずなのに、ゴールしたときには左手に持ち替えていたんです。見間違えたのか、と二度見、三度見したほど驚きました。ゴールまで数完歩という場面で手前を変えに出るというのは、並のジョッキーにはリスキー過ぎる行為なんですが、豊さんは何事もなかったようにやっていました。馬って、手綱を持ち替えるだけでグラッと揺れることがありますからね。それを、我々同業者も気づかない速さでやっている。その動きがハナ差につながったかはわかりませんが、僕はこのシーンを繰り返し見て、一人で唸っていたものです」

【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内の「二度見、三度見したほど驚いた」“最善”を重ねるジョッキー武豊の真髄とは?<石橋守と千田輝彦がディープ、ウオッカらの騎乗を語る>、こちらの記事の全文をお読みいただけます。

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