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「ポトッ…と黒い水が」男子バレー山内晶大(30歳)“代表引退”発言の真意を語る「まずは絶対優勝」204cm長身ブロッカーが探す違和感の正体
posted2024/10/31 11:05
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Kiichi Matsumoto
多くのバレーボーラーが特別な想いで臨んだ「大同生命SV.LEAGUE」の開幕。本稿では、日本代表としてパリ五輪を戦い抜いたミドルブロッカーたちの“その後”を追った。第1回はパリ五輪を“Last Dance”と位置付けた山内晶大(30歳)のインタビュー。【全3回/小野寺太志編、高橋健太郎編に続く】
主将として迎える4度目のシーズン。例年、開幕に向けて士気は高まるが、今季はこれまで以上に特別だった。
大阪ブルテオンの山内晶大は、サントリーサンバーズ大阪との開幕戦を前に「絶対勝ちたい」と意気込んでいた。
「SVリーグの開幕戦は、一生に一度、この試合しかないじゃないですか。チーム自体も“大阪ブルテオン”になって初めての試合なので。そこは勝ちたいですよね。今までよりだいぶ、気合入ってます」
10月11日、東京体育館で行われたサントリーとの開幕戦は、有言実行とばかりに3対0のストレートで完勝を収めた。
試合後のミックスゾーンでは「(入場時の)オーケストラの演奏に興奮した」と笑みを浮かべながらも「注目が集まる中で勝ててよかった」と1勝目の喜びを噛みしめる。
就任当初は「キャプテンの器じゃない」と不安ばかり口にしていたが、チームのリーダーとして先頭に立つ姿も、すっかり板についてきた。ホームゲームでは、試合直後のコートでマイクを握り、来場者へ感謝を伝えるのも山内の役割。開幕以後も好調を維持、5勝1敗で首位を走るブルテオンの欠かせぬキャプテン、ミドルブロッカーとして存在感を発揮している。
日本代表としても経験を積んできた。2014年の初選出以後、東京とパリと2度の五輪を経験。フロントでの攻撃に加え、サーブでも点が取れるミドルとして、コート内で発揮する存在感も含め、まさしく円熟期を迎えている。