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「ほぼ勝ったと、全員思ったんじゃないですか」石川祐希が語るパリ五輪イタリア戦の真相「最後、俺が決めきれなかったから…」《独占告白》
posted2024/10/31 11:04
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Asami Enomoto
発売中のNumber1106号に掲載の[独占インタビュー]石川祐希「もう一度、五輪メダルを獲りにいく」より、内容を一部抜粋してお届けします。<全2回の後編/前編も公開中>
イタリア戦第3セット、あと1点の心境
――それでも3日後の準々決勝では、いつも通りの石川選手に戻っていました。その間に何があったのですか?
「僕自身しっかり練習しましたし、選手とコミュニケーションを取りました。セッターの関田(誠大)さんともしっかりコミュニケーションを取ったので、そこが大きかったかなと思います」
イタリア戦では石川が真骨頂を発揮した。強力なサーブで相手を崩壊させ、ここぞのスパイクを決めて雄叫びをあげチームに火をつける。第1セット序盤、石川のパイプ攻撃で連続得点を奪い9-7とリードすると、石川と関田はガッチリと抱き合った。
「やっと、いつも通りだなと」
日本は神がかった守備を連発し、そうして作ったチャンスを復活したエースが得点につなげ、第1、2セットを連取。第3セットも22-21から、石川の連続得点で24-21と、マッチポイントを握った。
――イタリア戦第3セット24-21。あの時の石川選手の心境は?
「いやもうほぼ勝った、と思っちゃいましたね。もちろんまだ終わってないとは思っていましたけど、『お、これ来た』みたいな感じはあったし、たぶん全員思ったんじゃないですか。でもそれが隙だったと思うし、逆に『1点、取らないといけない』と思ったので、スパイクを打ちにいきすぎた。(24-22から)ジャンネッリのサーブが2本、僕とトモ君(山本智大)の間に来た。1本目は(山本に)取ってもらおうとしたらギリギリで(サーブレシーブが)上がって、それを僕が打ってアウトにしてしまった」
チャレンジ判定の間、どんな会話が?
――あの場面はブロックの指先を狙ったけれど、わずかに逸れてしまった?