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亡き先輩に誓った“覚悟の移籍”…男子バレー高橋健太郎「優勝してまた報告しに行く」愛する家族とも離れて単身赴任「毎日テレビ電話で泣いてる」

posted2024/10/31 11:07

 
亡き先輩に誓った“覚悟の移籍”…男子バレー高橋健太郎「優勝してまた報告しに行く」愛する家族とも離れて単身赴任「毎日テレビ電話で泣いてる」<Number Web> photograph by SV.LEAGUE

今季からジェイテクトSTINGS愛知でプレーする高橋健太郎(29歳)。10月29日、さらなる飛躍のために左膝の手術を受けたことを発表した

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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多くのバレーボーラーが特別な想いで臨んだ「大同生命SV.LEAGUE」の開幕。本稿では、日本代表としてパリ五輪を戦い抜いたミドルブロッカーたちの“その後”を追った。第3回は報道陣の前で“代表引退”を宣言した高橋健太郎(29歳)のインタビュー。【全3回/山内晶大編、小野寺太志編に続く】

 10月19日に、エントリオで行われたジェイテクトSTINGS愛知対ウルフドッグス名古屋の愛知ダービー。5本のブロック得点で勝利に貢献したはずのジェイテクト高橋健太郎は、試合後の記者会見で首を傾げた。

「まだ迷いがあって、モヤモヤを抱えているんです。自分に期待されるのはブロックだし、まずはそこ、という責任。果たさなければダメだという重圧もあるけど、僕は職人気質な部分もあって、ハマらないとダメだからまだまだ、納得いかないんです」

 そのコメントを左隣で聞いていたのはリベロの小川智大だ。笑いながらカットインする。

「健太郎さん、設定が高いんですよ。練習でもめちゃくちゃいいブロックして、タッチを取っているし、試合でもこれだけ決めているのに全然満足しない。僕らからすれば、ただただすごいだけです」

 そう? できてる? と小声で小川に聞き返す様子を、セッターの関田誠大が微笑ましく見つめる。

 新天地で迎えたSVリーグ元年、「笑われてもお構いなし」と高橋が意気込んだ。

「プロとしてやる以上は、結果がすべてなので。責任を果たして、やらなければならない位置づけを明確にして、しっかりプレーしたいです」

プロ選手になり、新天地へ移籍

 今季、高橋は東レアローズ静岡からジェイテクトへ移籍し、プロ選手になった。これまで以上に、一人の選手としても、チームとしても「結果を求める」シーズンになる。だが、問題が一つだけ。

「家族と離れて生活しているので。僕、家族がいないと無理だからそれは本当につらい。でもそうしてでも頑張ると決めた以上は、ほんと、やらないと」

 来年2月で30歳になるミドルブロッカーは、新たなステージを見据えていた。

【次ページ】 やっとたどり着いた“憧れの場所”

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