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核心にシュートを!BACK NUMBER
日本代表FW中村敬斗の衝撃「欧州5大リーグでゴール効率4位」だが最終予選は4戦39分「試合に出ないと…」“出番限られる問題”解決策はあるか
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/10/21 17:00
オーストラリア戦で殊勲の働きを見せ、フランスでもゴール量産している中村敬斗。スーパーサブに置くにはもったいない存在ではある
2023年6月のペルー戦のようにサッカーIQの高さを生かして守備でも貢献する三笘、何度でも上下動を繰り返せる伊東純也のようなスタミナ。あるいは2人のハイブリッド型である堂安律のような能力が求められている。また、中村はサウジアラビア戦のように2シャドーの一角で起用される可能性もあるが、その場合には守備強度が日本代表でもトップクラスの南野拓実がライバルとなる。
あるいは、アジアカップのバーレーン戦のCKでは中村が遅れて入ってくる相手選手を捕まえられず、最後は混戦からオウンゴールが生まれてしまったことも無関係ではないのかもしれない。
中村は何で勝負していくべきなのか
オーストラリア戦の87分、相手が最後の交代カードを切ってきたとき、下田崇コーチが勢いよくベンチを飛び出していき、中村に声をかけた。下田コーチの仕事はGKの指導と、セットプレーの守備の担当だ。ここではセットプレーの守備についての話をしたのだろう。サウジアラビア戦のCKの守備で2度もノーマークの選手を作ってしまったからなのか、中村にはそれだけ強調しておかないといけないと考えたのか、それは想像するしかないが……。
では、こうした状況で、中村が何で勝負していくのか。
彼には他の選手にはない、得点力という武器がある。日本代表のユニフォームを着ているときでも、13試合で8ゴールだ。かなりのハイペースで得点している。
その能力をさらに磨いて、どんなサッカーをしても中村を使わないわけにはいかないという立場に登りつめるのか。
あるいは、圧倒的な得点力と比べれば劣ってしまう守備力やスプリント力を上げていくのか。
中村とともに可能性を見せたのは、田中碧だった
「歴代でも最高レベルの争い」と久保も表現するようなレギュラー争いがあるからこそ、中村は岐路に立っている。一つだけ言えるのは、そんな彼の決断が、今後の日本代表がさらにチームとして力をつけられるかどうかのカギを握っているということだ。
その点において、中村以外にもオーストラリア戦で可能性を見せた選手がいる。キャプテン遠藤航の体調不良を受けて先発出場した、田中碧である。〈つづく〉