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核心にシュートを!BACK NUMBER
日本代表FW中村敬斗の衝撃「欧州5大リーグでゴール効率4位」だが最終予選は4戦39分「試合に出ないと…」“出番限られる問題”解決策はあるか
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/10/21 17:00
オーストラリア戦で殊勲の働きを見せ、フランスでもゴール量産している中村敬斗。スーパーサブに置くにはもったいない存在ではある
アーリング・ハーランドがトップに名を連ねる5大リーグにおけるランキングで、中村はなんと全選手のなかで4位につけている。ここまでの総ゴール期待値が「0.8」なのに対して、実際に決めているのが4ゴールでゴール効率は「+3.2」だった。膨大なデータに基づけば、中村は合計しても「0.8得点」しか取れないような難しいシュートの数々を放っているのだが、それで「4点」も決めてきた。そして10月20日の試合でも5試合連続ゴールを決めたので、さらにこの数値は伸びるはずだ。
最終予選4戦39分…なぜ中村の出場時間が限られるか
中村はいま、スタッド・ランスの点の取れるウインガーとしてヨーロッパに名をとどろかせている。だからこそ、疑問はわく。どうして彼の出場時間は伸びてこないのか。
最終予選に入ってからの出場時間は以下の通りだ。
中国戦:出場なし
バーレーン戦:17分
サウジアラビア戦:2分
そして、唯一ビハインドの状態で出場したオーストラリア戦では20分だった。
初戦の中国との試合では左ウイングバックの2番手として前田大然が送りこまれていたため、中村は左サイドの3番手に降格したのかという声すら挙がっていた。当時、中村はその質問を振られると、やや困惑気味にこう話していた。
「試合に出ないと何もできないし、あれだけ前線の選手が活躍しているので、出た時には何か目に見える結果がこれから必要になってくるかなと思うんです。もちろん個人的には連係もあるし、仕掛けて(シュートを)打ったり、クロスも持っているんですけど……」
三笘薫の存在、他ポジションでもライバルが
中村の出場時間が伸びない最大の理由は、同じポジションに三笘薫がいることだろう。
今シーズン、ブライトンの三笘はファビアン・ヒュルツェラー新監督のもとで、これまで以上の攻撃を繰り出して大活躍している。また、選手たちが意見を交換して作り上げていくスタイルにおいては、目指すべきサッカーを言語化ができる三笘の存在は大きく、簡単に代えられる選手ではない。今回のオーストラリア戦の三笘は後半に入ってからは左ひざを終始気にして、試合終了と同時にピッチに座りこまざるを得ない状態だったが、最後まで引っ張られた。
また戦術的に見ても、現在のウイングバックや、これまで採用されてきた〈4-2-3-1〉のサイドハーフには守備力も求められる。