なお、駒大からもう一人出場した金谷も13分57秒12で5着と好走。各校の2番手の選手では最も速かった。

　エース格の佐藤圭汰を欠く苦しいチーム事情もあるなか、“もうひとつの出雲駅伝”を走った2人が“強い駒澤”をしっかりと示した。

本戦優勝の國學院大は、熾烈なメンバー争い

　もちろん強い思いを持って記録会に挑んだのは駒澤大の選手ばかりではない。

　今季戦力が充実している國學院大は、熾烈なメンバー争いを勝ち抜いた6人が出雲駅伝を走り、誰一人として大きなミスをすることなく、タスキをつないだ。出雲を走った6人はおそらく、全日本でも出走メンバーの有力候補となるだろう。

　さらには、全日本は距離が延びるゆえ、スピード駅伝の出雲では出番がなかったものの、ハーフマラソンで実績のある高山豪起に出番が回ってくる可能性も高い。となると、8人が出場できる全日本は残り1枠しかない。

「高山はもう全日本に向けて準備していますし、この後の記録会に出場する嘉数（純平）と後村（光星）のうち、勝ったほうを使うか、それとも他の選手を使うか、悩むぐらい、レベルの高いところにチームはいます」

出雲路で優勝した國學院大からは2年生の嘉数が3位に食い込んだ　©Stoshi Wada

　前田康弘監督は出雲駅伝直後にこう話していた。つまり、嘉数と後村にとっては、全日本を走るためには絶対に失敗が許されないレースだったのだ。

　嘉数は13分54秒13で3着。後村は終盤にペースダウンし14分11秒50だった。もちろん後村にもこの後に再度チャンスはあるかもしれないが、この記録会では嘉数がアピールに成功した。

　青学大の白石の終盤の走りにも鬼気迫るものがあった。

　出雲駅伝のレース後に原晋監督は4年生の奮起を促すコメントを残していただけに、同じ最上級生としての意地もあっただろう。

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