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青学大「11人抜かれの4年生」の執念、駒大「秘密兵器ルーキー」の躍動…本戦よりもアツい? テレビには映らない“もうひとつの出雲駅伝”のリアル

posted2024/10/18 17:17

 
青学大「11人抜かれの4年生」の執念、駒大「秘密兵器ルーキー」の躍動…本戦よりもアツい? テレビには映らない“もうひとつの出雲駅伝”のリアル<Number Web> photograph by Satoshi Wada

出雲駅伝のレース後、日が暮れてから行われる記録会。選考から漏れた選手にとっては今後の駅伝メンバー入りを占う勝負レースとなる

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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Satoshi Wada

 大学三大駅伝の初戦となる出雲駅伝は、國學院大のアンカー・平林清澄の鮮やかな逆転劇で幕を閉じた。そのフィニッシュから約2時間後、熱戦の興奮も冷めやらぬうちに、“もうひとつの出雲駅伝”として知られる出雲市陸協記録会の5000mが始まる。

 この記録会に出場するのは、出雲駅伝への遠征メンバーに選ばれながらも、6人の出走メンバーにはなれなかった選手たちだ。つまりは補員によるレースということだが、彼らにとっては決してサブイベントという位置付けではない。また、記録会なので勝ったところで表彰されるわけでもないが、レースに臨む彼らの表情は真剣そのものだった。

駒大の“秘密兵器”はルーキー

「“もうひとつの出雲駅伝”は、全日本大学駅伝の選考にもつながっています。そこをしっかり意識してしっかり勝ち切るようにと(藤田敦史監督から)言われていました」

 こう話すのは、駒澤大のルーキー・谷中晴だ。

 谷中は、福島・帝京安積高3年時の秋に膝をケガし、大学に入学してからもケガを繰り返して、本格的に練習を再開したのは今年7月下旬になってからだった。

 そこから夏合宿でアピールし出雲駅伝のエントリーメンバーに選ばれた。いわば、駒澤大の“秘密兵器”。大学に入ってまだレースに出場しておらず、出雲駅伝が駒澤大のユニフォームでのデビュー戦となる可能性があった。

「状態が上がってきていたので、5区を島子(公佑)にするか、谷中にするか、迷ったんですよ」

 谷中の駅伝起用について、藤田監督は最後まで頭を悩ませたという。しかし、島子が、7月、9月と2レース続けて5000mで自己記録を打ち立て、練習もパーフェクトにこなしていたのに対して、谷中は出雲の前にケガで練習が抜け落ちた期間があった。指揮官の判断で谷中の駅伝デビューは見送られた。

 全日本を走れるかどうかがかかっていただけに、並々ならぬ思いでこの記録会に臨んでいた。

【次ページ】 監督は「間違いなく全日本は(谷中を)使います」

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