そうしてサントリーは接戦に持ち込んだが、大阪Bは、ブロックフォローやつなぎの精度、勝負所でのサーブ力などでわずかに上回り、途中出場の富田、西川馨太郎の活躍もあって、フルセットの末、2連勝を飾った。

　それでも大宅は、「もちろん勝利を目指していますが、シーズンの最後にピークを持っていけるようなチーム作りという意味で、今できることは今日出せたのかなと思う」と納得の表情だった。

　まだ2試合だけではあるが、国内リーグ初参戦の高橋藍はSVリーグの印象を聞かれ、こう語った。

開幕戦から3日後、サントリーサンバーズ大阪の本拠地エディオンアリーナ大阪で再び対戦。西田有志と高橋藍はこの日も、ネット越しに言葉をかわしていた　©︎SV.LEAGUE

「すごく頭を使ってバレーボールをしないといけないなと、日本でやって感じています。もちろん高さはイタリアでやっていた時のほうが2mの選手が3枚揃ったり、そういう難しさはありましたが、日本のバレーは組織力があって、すごく繊細。

　例えばブロックの上から打ったり、横を抜いても、しっかりディフェンスが入っている。日本はすごくデータバレーが緻密だなと改めて感じて、僕自身その打開策というか、それを上回るプレーを求められるので、この1年は本当にいい経験になると思います」

高橋藍が求める“会場の一体感”

　SVリーグが目標としている世界トップになるためには？　と聞かれるとこう答えた。

「イタリアリーグと、高さとパワーという部分で比べると違いはありますが、バレーのレベルとしては、非常に高いレベルでSVリーグはやれていると、今日の試合で感じました。あと何が必要かと言われるとすごく難しいんですけど、もっともっと僕たちがレベルの高いバレーを見せていくことが一つだと思う」

　そう語ったあと、ファンに期待する思いも続けた。

「イタリアの観客の方々は、一緒に戦っているという感じがもっともっとするので、そうした会場の一体感というのは（日本でも）もっと、ホームゲームなら作っていけるんじゃないかなと思っています。そういう部分もレベルアップさせていくことで、世界最高峰のリーグに近づいていけるのかなと思いますね」

日本では初めてのシーズンを迎える高橋藍　©︎SV.LEAGUE

　ともに世界最高峰のリーグを目指すため、ファンにも協力を呼びかけた。

（後編に続く）