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バレーボールPRESSBACK NUMBER
高橋藍「日本のバレーは頭を使う。でも、イタリアはもっと一緒に戦っている感じがする」SVリーグが“世界最高峰”になるために必要なこと
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/10/18 11:02
開幕してまだ2試合を消化した時点だが、イタリアでの経験をもとにSVリーグの印象を明かした高橋藍(22歳)
開幕戦は地上波でゴールデンタイムに生中継され、東京体育館には国内リーグとしては異例の6526人の観客が詰めかけた。前日の会場練習の時から、昨季まではあり得なかったほど多くのメディアが訪れ、選手たちにも特別感がひしひしと伝わっていた。
高橋藍の対角で先発出場したデ・アルマス アラインは、「お客さんがめっちゃ多くて、(両チームに)有名な選手が集まってる。テレビ放送もあるし、バレーが有名になってるなーって、すごく嬉しくなった。でもずっと緊張していて、いいパフォーマンスを出せなかった」と素直に明かした。
相手側の大阪Bの選手たちも同じ印象を持っていた。日本代表リベロの山本智大は言う。
「僕は代表の試合と変わらない雰囲気でやらせてもらえたので非常にありがたかったです。ブルテオンのほうが、代表経験のある選手が多いので、物怖じせず一人一人がいつも通りプレーしていた。その差は感じました」
アメリカ代表のジェスキー・トーマスも、「開幕戦の環境は本当に素晴らしくて、楽しかった。大勢のお客さんがいたからこそ感情が湧き上がり、ブルテオンはその波に乗れた。逆にサントリーはその波に乗れなくて、逆の方向に行ったように感じました」と話した。
サントリーにも日本代表の小野寺太志や高橋藍、ロンドン五輪金メダリストのムセルスキー・ドミトリーがいて、大宅も代表経験があるが、先発全員が代表経験者の大阪Bの落ち着きには及ばなかった。
ブルテオンの鍵を握る長身セッター
もう一つ、勝敗を分けたものとして大宅が挙げたのが、今季ウルフドッグス名古屋から大阪Bに移籍したセッター永露元稀だ。
「永露はすごく満遍なく、いいトスワークをしていた。初めてコンビを合わせる選手が多い中で、本当にチームにフィットして、この(開幕戦の)環境でもいつも通り平常心で戦えていた。コートを挟んでお手本がいて、彼を見て学ぶところがたくさんありました」