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「嫌がられるセッターに」女子バレー岩崎こよみ(35歳)が、荒木絵里香にいま明かすパリ五輪の真相「あのゲームであの1点が取れていたら…」
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/10/18 17:00
大好評シリーズ動画「Number Volleyball Night」でバレーボール女子日本代表元キャプテンの荒木絵里香(左)がパリ五輪日本代表セッターの岩崎こよみに迫った
荒木 スタッフ頑張れ~、そこは嘘でも明るくいって欲しい~。
岩崎 ふるまい、難しいですよね。試合直前だったのでミーティングらしいミーティングはできず、練習前の声掛けくらいで。「最後、みんなで出し切ろうね」と。
相手に嫌がられるセッターに
荒木 きつかったね……。初めての、15年越しの五輪を経験して得たこと、気づきがあれば教えてください。
岩崎 ここぞというところで自分の100%以上の力を出せるには何が必要なのかと考えさせられたのが一番。もっと戦術の勉強をしないといけないし、今回は合わせる期間が短かったため、データを頭に入れて監督に言われたことを忠実にやることしかできなかったのですが、そうではなくて、自分が駆け引きを楽しむとか、相手の意表を突くプレーや考え方をもっと身につけないと自分も楽しくないし、日本が勝っていくうえでも難しいと思いました。
荒木 プラスアルファということだよね。
岩崎 相手は決められたらそこをマークしてくるし、体格差でもかなわないところがあるので、戦術でいかないと。相手に嫌がられるセッターになりたいと思いました。
もうひとつ。自分の経歴を見たら、「五輪に出た」ことが目につくと思うんです。実際のところ、五輪は目標にもできないくらい上の舞台だったので出られて光栄でしたし、楽しくわくわくもしたし、辛い思いもたくさんしました。ただ、五輪で予選敗退したことよりも辛いことをいっぱい経験してきたし、五輪の切符を取った時よりも嬉しいことがこれまでの人生にはあったこと、それらの経験の大切さは変わらないなと。それは嬉しいなと思いました。いろいろな経験させてもらってありがたいことだと、五輪に出てあらためて感じました。
荒木 ここまでの歩み、キャリアは、間近で見てきた者として、本当にすごいと思います。よくここまで、あらゆる苦しいところを乗り超えて長く続けているのは、選手としても、人としてもすごいこと。激動のシーズン、お疲れさまでした。さまざまな思い、これから始まる新リーグにぶつけてください。
ではここからは、お互いに共通するプレイヤーと母親の両立について話しましょうか。
【続きは動画で見る】15年越しに掴んだ日本代表入りまでの道のりには数々のターニングポイントがあった。”谷の世代”だった学生時代、パイオニアから始まったVリーグ、セッター転向、イタリア移籍、さらには出産、復帰。トピック多彩なバレーボール人生については、Number Volleyball Night「荒木絵里香×岩崎こよみ 相手に嫌がられるセッターを目指して」でご覧ください。いよいよ開幕するSVリーグや今シーズンへの意気込みも! チームの目指はすものは?