9回2死二、三塁からその森原が木浪にタイムリーを浴びたが、最後は代打・原口文仁内野手を左飛に打ちとってのゲームセット。リリーフ陣の奮闘で3対1の接戦をモノにしたDeNAは、その勢いで第2戦も連勝して、去年の王者を蹴散らしたのである。

　筒香をはじめ宮崎、桑原将志外野手、戸柱に柴田竜拓内野手……と野手陣には17年の日本シリーズを戦ったメンバーがいる。しかし投手陣を見回せば若い選手が中心で、CSを勝ち抜く味を知っているのは先発陣も含めて山崎と濵口の2人だけしか残っていない。

　左足を痛めた東は13日に登録抹消され、16日から始まる巨人とのファイナルステージでの登板は日程的に不可能となった。

DeNAには山崎の場数と経験が必要

　いずれにしても継投勝負のDeNAは、調子の上がってきている打線を背景に、投手陣総出となるのは確実だろう。

　21年の東京五輪。

「山崎が1回から何度も肩を作って献身的にブルペンをカバーしてくれた。彼の存在は目立たなかったけど大きかった」

　山崎を金メダルの陰の功労者として挙げていたのは日本代表のバッテリーコーチだった現巨人の村田善則総合コーチだった。

「悔しい思いもいっぱいしたけど、今は自分のこの与えられた役割をしっかり果たすことしか考えていない」

　こう語る山崎が持つ場数と経験が、ファイナルステ―ジでも若いDeNAの投手陣には必要なのである。