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石川祐希や西田有志に説得され…男子バレー“次世代ミドル”が得た宝物「あの3人を見てきたからこそのエバデダン・ラリーでありたい」
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byNumberWeb
posted2024/10/10 11:03
次世代のミドルブロッカーとして期待される大阪ブルテオンのエバデダン・ラリー(24歳/195cm)
代表初選出は2022年。ほぼすべての合宿やネーションズリーグに招集されるようになったのは、昨年からだ。
松本国際高、筑波大では主軸を担い、大学3年の全日本インカレを終えてからの3カ月は大塚達宣と共にパナソニック(現・大阪ブルテオン)でプレーした。すぐにフィットし、攻守で活躍を見せたが、日本代表で求められるプレーはその数段上をいく。ブロックとレシーブが連動したディフェンス面を含む戦術を理解するのも大変だったが、フィリップ・ブラン監督からは細かな技術の一つ一つを徹底的に指導された。
「たとえばショートサーブをどう取るか。バレーを始めたばかりの小学生に教えるように、脚の使い方や体重の乗せ方、とにかくめちゃくちゃ細かく言われ続けたし、ミスをすればまた言われる。特に僕と甲斐(優斗)はとにかくずーっと指導され続けたので『そんなのわかってるよ』と思うこともありましたよ。でも、代表でこんなに細かい技術まで教えてくれるんだ、というのは驚きでもありました」
学びしかなかった“3人”の先輩
指導の成果はすぐに実感した。練習時、言われた通りに実践すると「こういうことか」と納得できる。加えて、教えてくれるのは監督だけでなく、絶好のお手本もいた。しかも1人ではなく、3人も。山内晶大、高橋健太郎、小野寺のプレーやバレーボールに取り組む姿勢からは「学びしかなかった」と言葉に熱がこもる。
「健太郎さんは身体能力とブロックが圧倒的。小野寺さんは安定していてミスが少ない。山内さんは爆発力があってサーブでも点数が取れる。スキルはもちろんですけど、何より言語化能力がすごいんです。コミュニケーションを取る中で『これどうしたらいいですか?』と聞けば細かく教えてくれる。
特に健太郎さんは本当に何でも包み隠さず教えてくれたし、そもそも今シーズンは力の入れ具合が違った。自分が出ていない試合でも絶対に山内さんと小野寺さんのところに行って、これはよかった、これはもっとこうできる、とその都度アドバイスしている。そういう姿を見るだけで勉強になったし、本当にすごい人たちと一緒にやっていたんだな、って最近また思うんです」