6月、フィリップ・ブラン監督はオンライン会見の冒頭でメンバーを発表した後、落選した選手に向けての言葉も残している。

「きっとロス五輪で大活躍してくれる選手」

　前指揮官の愛を込めたエールを知ると、エバデダンは一瞬笑みを浮かべた後、表情を引き締めた。

「それは知らなかった。嬉しいですね。僕自身、オリンピックが終わって、これからを考えた時、今まで以上にもっとストイックにやっていかないとダメだ、と思ったんです。バレーボールで結果を出すためには、バレー以外のところでも、もっとできることをやり尽くしておかないと届かない。もっと意識を高く持たなきゃ、って」

　4年後、描くのはどんな姿か。そう聞くと、即答した。

「健太郎さんのブロック、小野寺さんのクレバーなプレー、山内さんの爆発力。三拍子そろった選手になりたい。今はまだブロックの移動も追いつかないし、バレー脳や戦術眼もない。流れを変えられる雰囲気もつくれていないですけど、あの3人を見てきたからこそのエバデダン・ラリーでありたい、って思います」

今シーズンもたくさん「ラリーポーズ」を見たい　©︎Volleyball World

　次こそあの舞台へ――新たな4年間が幕を開ける。

〈つづく→第3回／小川智大編〉