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大谷翔平のプレー「僕には出来ない。だから…」ムーキー・ベッツ本人が明かした“オオタニとの比較”への本音…ドジャースで生まれた信頼関係 

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斎藤庸裕

斎藤庸裕Nobuhiro Saito

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posted2024/10/08 11:03

大谷翔平のプレー「僕には出来ない。だから…」ムーキー・ベッツ本人が明かした“オオタニとの比較”への本音…ドジャースで生まれた信頼関係<Number Web> photograph by AFLO

ドジャースを牽引する大谷翔平とムーキー・ベッツ

「みんなの見方と同じ。スーパースペシャルだよ。それが分かるにはやっぱり、シーズンを通して彼がやってくれたことを見るしかないんだ。ただ、彼1人ではできないこと。僕らの助けが必要。そのために、僕らがいるんだって示さないといけない」

 北米スポーツ史上最高額の7億ドル(当時のレートで1015億円)で契約し、ドジャースに移籍した1年目。大谷はシーズン開幕当初、チームの一員として貢献しようとする気持ちが強かった。本来の打撃が出来ず、苦しんだ時期があった。自分らしくいること――。救ったのは、ロバーツ監督の言葉やベッツら同僚のチームプレーだった。

ベッツ本人が語った「オオタニとの比較」への本音

 もっとも、その“自分らしさ”を体現していた選手こそが、ベッツだった。

 今年の春キャンプでは、拠点とする施設のクラブハウスで、大谷とロッカーが隣だった。MVPを獲得しているスター選手同士。シーズンを通じて、関係性や互いの印象などを繰り返し問われる機会も多かった。4月24日、前日に打球速度118.7 マイル (約191キロ)の強烈な本塁打を放った大谷について、ベッツが答えた言葉が印象深い。

「彼がやることの90%は僕には出来ない。だから、トライもしない。僕はムーキーでなければいけない。ムーキーができるベストを尽くさないといけない」

 後日、真意を聞くと、ベッツはこう答えた。

「自分がどういう選手か理解することがとても大事なこと。自分を信じて、ただ、自分らしくいたらいい。他の人のようにやろうとすると、出来ないんだ。それは、自分らしさではないから。(昔は)ホームランを打ちたいと思っていたけど、多くの失敗をした。それは、僕のやるべきことではなかった。ホームランを打とうとすることは、僕らしいことではない」

【次ページ】 「それぞれのプロ意識」その筆頭が大谷とベッツだった

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