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三笘薫との約束「俺の記録を超えろ」を胸に…“2年目で15ゴール”川崎F・山田新なぜ覚醒?「得点王も狙える」「まだまだ足りない」24歳の渇望
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byJIJI PRESS
posted2024/10/08 11:05
10月5日のJ1第33節、今季15点目となるループシュートを決めた川崎Fの山田新(24歳)。得点ランキングでは日本人トップの3位タイにつけている
“得点王の系譜”を継ぐストライカーへ
迎えたプロ2年目の2024年。
7月から8月にかけて3試合連続で2ゴールをマークするなど得点を量産し、前節の新潟戦で14得点に達した。1年遅れではあるが、三笘の「13」という数字を超えている。続く町田戦でも1ゴールを重ね、現在15得点だ。
1年目に三笘の記録は超えられなかった。だが13得点は超えた。今なら、あの時の三笘との約束を果たせたと言えるのではないか。その思いを山田に聞いてみたかったのだ。
クラブ広報にお願いし、試合後のテレビ取材が終わってバスに乗り込む彼に一問だけ聞かせてもらった。
偉大な先輩との約束の話を向けると、山田は懐かしい記憶を蘇らせた。
「(三笘の13得点は)1年目でしたし、アシストも同じぐらいしていたので」と微笑み、「追いついたとか、超えた気分にはなってないです」と述べた。
そして、こう続けた。
「ゴール数としては超えたので、言われた数字を達成できたのは良かったです。でもまだまだ足りない部分も多いかな」
このチームのストライカーは自分だという自負が、現在の山田からは強く感じられる。しかし現状には決して満足していない。言葉の端々から、さらなるゴールを渇望していることが伝わってきた。
――ジュニーニョ、大久保嘉人、小林悠、レアンドロ・ダミアン。
川崎フロンターレには、いつの時代も頼もしいストライカーが君臨していた。山田新も、Jリーグ得点王の系譜を継ぐストライカーとして、その名前を刻むことができるのか。
得点王になる。
それが、三笘薫との「新しい約束」になっていくのかもしれない。