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「“きょうだい児”という言葉も初めて知って」初代バスケ選手会長・岡田優介（40歳）が語る障害児育児のリアル「息子のことを公表した理由は…」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by本人のInstagramより引用
posted2024/10/06 11:01
公認会計士の資格も持つ「文武両道」バスケ選手として有名な岡田優介。2児の父でもある岡田だが、長男の朔玖君は知的障害と自閉スペクトラム症を持つ
一方で、予想外のリアクションもあったという。
「うちの子も同じ障害を抱えているんです」
自閉症や知的障害を抱えている子の親から次々と似たようなメッセージが寄せられたのだ。
「ファンの方からはもちろん、Facebookの知り合いからも、想定していた以上の連絡がありました。これまでは明かしてこなかったという人も多くて、『うちと同じ境遇だ』と感じたから初めて言えたんでしょうね」
中には、ある母親からの悲痛なメッセージもあった。
「うちの子も同じように自閉症ですが、旦那は岡田さんの考え方と異なります。子どもの障害を認めようとしないし、子どものために何も動いてくれません」
あくまでも「自身の感想である」とことわりをいれたうえで、岡田はこう話す。
「一般的には『あまり公言すべきではないな』と思わせるカルチャーがあるということでしょうね。そういうハンディキャップを持っている子が（ライフスタイルの変化や高年齢出産の増加などで）増えているというニュースなども目にしたことがありますけど、『果たして、どこまで本当なんだろう？』と感じることはあります。
今まで世間に隠してきたことが顕在化してきたり、そういう障害をみんなが認知し、施設を探すようになったりしたから、『結果的に件数が増えているのでは？』と感じることさえあります。つまり、実際同じような境遇の方はかなりの数いるのではないのかなぁと」
社会全体で「蓋をしてしまう」傾向がある
岡田のケースとは異なるが、最近になってようやく理解が深まってきたと指摘されているようなハンディキャップもある。
「僕は選手会の活動として知的障害児向けのバスケ教室を10年続けています。息子が生まれるずっと前からですね。そこから当事者になったわけですが、初めて気づいたことがたくさんありました。社会全体でそういった存在に蓋をしてしまう傾向があると感じます。『そっちの人たちはそっちの世界で生きてね。こっちはこっちで普通の人たちによる別の社会だから』みたいに分けられてしまっているというか……だからこそ、『息子は別に珍しい存在じゃない』ということをもっと発信したいと思います」
先日も俳優の星野真里が、愛娘が難病の「先天性ミオパチーの中心核ミオパチー」であると公表したことが話題になった。こういった発信は実に尊いものであるが、それが驚きや関心を集めるという現実は、それがまだ一般的ではないからかもしれない。
なお、岡田家の第二子となる愛娘が生まれたときに、ある言葉の存在を妻から知らされた。
