「選手も当然、成長しているわけじゃないですか。それに伴って所属チームでの立ち位置も変わり、自信もつけてきている。その中で選手に求めるもののレベルを上げていっても応えられると感じていました。それに役割を明確にすることはかえって迷いを取り除き、短い時間で効果が出ることにつながったとも思います。

　このチームに途中から入った選手も、結構集中して取り組まないと、『これは、ついていけないな』と思わせるくらいになっていった。実際、より集中力を持って取り組んでくれましたし、基準を高く持ち続けることが代表には大切なのだと改めて感じましたね」

再びのスペイン敗戦の評価

　日本は「衝撃を受けた」スペインとパリ五輪準々決勝で再戦し、0-3で敗れることになった。40分に鋭いターンから細谷真大がネットを揺らしたものの、VARでゴールは認められず、45+7分にもFKに細谷がドンピシャで頭を合わせたが、ポストに嫌われた。前半は五分に渡り合ったかに見えたが、最後は力及ばず。それでも進んできた道は正しかったと考えられるか。指揮官に問うた。

藤田からのパスを細谷が受けたファインゴールに見えたが、VARでオフサイド判定に　©Koki Nagahama/JMPA

「結果が出なかったという意味では何を言われても仕方がないと思っています。別のアプローチだったらもっと上に行けたかどうか、僕自身はこれだと思って進んできたので、そこは何とも言えません。今回は年齢制限のあるオリンピック代表として、アンダーカテゴリーの最後の代表としてのアプローチだったわけで、A代表に当てはまるかと言ったらそれも違うでしょうし、今後の日本サッカーはまた違うスタイルの方がいいのかもしれませんし。

　一つ言えることがあるとすれば、参考にするにしても反省材料にするにしても、教訓でもいいですが、こういうやり方をしたということだけですね。それをどう考えるか。これは報告として（日本サッカー協会の）監督会議でも伝えているところです」

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