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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「これまでと違うやり方をした」パリ五輪チーム作りは正解だったのか? 大岩剛監督が振り返る異例のアプローチ…「ポジションの役割明確化」とは
text by
佐藤景Kei Sato
photograph byYuki Suenaga
posted2024/10/09 11:01
8月いっぱいで五輪代表監督を退任した大岩氏は終始穏やかな表情で語った
そしてもう一つ。代表に集まってくる段階で選手それぞれがポジションごとの役割をすでに理解している状況だったら、もっと進んだ場所からチーム作りを始められたのではないかという問いもある。すなわち、日本サッカー全体で共有されたビジョンのもとで、育成段階やクラブレベルでも、ポジションごとの役割は理解しておくべきものなのではないのか。
「ある面ではそう言えるかもしれませんが、ではスペインの選手全員が細かく教わっているかと言えばそうではない。他の国にも言えると思いますが、歴史の中で培われているものが確かにある。その点ではやはりまだまだ歴史を積み重ねていく必要があるのだと思います。当たり前に理解しておくべきものが増えていくことはベースを高めることなので」
大岩監督の次の道は
8月31日をもって、大岩監督はオリンピック代表としての仕事を終えた。自身の今後については未定としながらも、「世界で戦って、鹿島時代とはまた違う経験を色々積ませてもらって、それを出していきたいとは思っています」と引き続き、指導者として現場に立つつもりだ。
「ただ僕らはオファーがあって初めて仕事ができる立場なので。今のところは何も決まっていませんよ」
来季の監督候補として、すでに一部メディアで名前が取り沙汰されている。鹿島時代にACL優勝を経験し、U-23日本代表を率いてアジアを制し、パリ五輪では8強に進んだ。その実績を考えれば、それも当然か。
Jリーグの舞台か、それとも別の場所か。それがクラブだとすれば、今度はより継続的な指導も可能になる。来シーズン、早速、どこかのチームを指揮する姿が見られるかもしれない。今度はどんなアプローチでどんなチームを作るのか。指導者、大岩剛の新たな仕事を注視したい。