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「もうサイドバックだけじゃ厳しい…」森保ジャパン緊急招集・関根大輝(22歳)が重宝されそうな理由「デカくて万能」「理想は右の伊藤洋輝」
posted2024/10/09 11:02
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
JFA/AFLO
187センチの大型サイドバックが、ついに日本代表に初招集された。
森保一監督が北中米W杯アジア最終予選のサウジアラビア戦、オーストラリア戦に向けて発表した27人に名を連ねた20歳の高井幸大(川崎フロンターレ)が週末の試合で負傷。192センチの大型センターバックに代わって招集されたのが、22歳の関根大輝(柏レイソル)だった。
「とても驚いています」
追加招集の吉報が届いたのは、10月5日のJ1リーグ第33節横浜F・マリノス戦の直後。完封勝利に貢献し、余韻に浸っていた矢先の連絡だった。
ただ、その選出に驚きはない。現在の日本代表の戦い方を鑑みると、むしろ、10月3日のメンバー発表で名を連ねていなかったことのほうが「意外」とも言える存在である。
ウィングバックもできる万能なDF
日本代表は9月の中国戦、バーレーン戦の2試合において、それぞれ7得点・5得点を奪いアジア最終予選でスタートダッシュを切った。最大の収穫として、“超攻撃型”とも呼ばれる3バックシステムが挙げられる。
従来の森保ジャパンが使用してきたのは【4-3-3】または【4-2-3-1】の4バックシステム。【3-4-2-1】のシステムはあくまでオプションで、むしろ5バックに近い状態で守備の強化を目的としたものだった。ただ、アジア2次予選の終盤から攻撃的な【3-4-2-1】を採用。前述の中国戦・バーレーン戦では三笘薫、堂安律、伊東純也らをウィングバックに配置した攻撃的なサッカーで見事に大量得点を奪った。
日本に対して守備を固めるアジア各国への対策に留まらず、出場枠が広がったことで格下との対戦も予想されるW杯本戦を勝ち抜く上で、攻撃的な3バックのオプションはより重要となる。そこで、今後より必要とされていく人材は、システムを併用した時に複数ポジションをこなせる選手だ。
特に森保監督はサイドバックに対してユーティリティー性を求めてきた。
・3バック時にセンターバックとウィングバックをこなせること。
・攻守にわたって能力を発揮できること。
・身長があり、フィジカルで負けないこと。
これらの条件を満たすのが関根だった。