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久保建英がマドリー戦後ファンに謝罪も…「エムバペとビニシウスはタケに手を焼いていた」カメラマン、久保本人が感じた「悪い中での好材料」
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/09/19 17:01
エムバペと笑顔で握手する久保建英。ソシエダは苦しんでいる一方で久保個人のプレーは高いクオリティを誇っている
4-1-4-1のベースから守備時には、久保はやや下がり気味にポジションを取り、逆サイドのヘラルド・ベッカーを押し出し4-4-2の陣形を取る。これは久保の戦術理解度、守備力などが評価されてのことと考えられるが、求められる上下動による体力的負担増は気になるところか。
ただこの夏新加入のスチッチの出来が、マドリーを相手にしてもポジティブだった(それゆえソシエダとしてみれば、続くマジョルカ戦を落としたのは非常に痛いのだが……)。
マドリー戦後、会見に臨んだ久保は「悪い中での好材料としては、負けたけれど、(前節までとは)雰囲気が変わってきている」、また「3度のポスト、自分も含めて他にも決定機があった」と、決定機逸を悔やんだ。
確かにクロスバー、ポストに計3回もシュートが弾かれた場面は、少なくとも1個は決まっていてもおかしくないほどの決定機だった。
ゴールが決まらなかったのは運が悪かったから、ではなく、手足の長い大きな体躯を持つ世界最高峰のGKティボウ・クルトワが、絶妙なポジションを保ったことによるもので、クルトワがマドリーを勝たせたともいえそうだ。
久保はCK時には、そのクルトワの動きを制限する動きをしており、両者が声を交わすような場面もあった。
ファンへの謝罪に見えた“責任を負う覚悟”
上手さだけを評価される選手ではなく、チームを勝たせる存在であること。それこそが久保が求めている選手像であり、だからこそ、ファンに見せた姿から、一身に責任を負うような覚悟を感じたのではないだろうか。