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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「自分はずっと補助席で」“ヤンキースで叩かれた左腕”井川慶が味わった過酷マイナーとメジャー格差「ホテルでの名前はスタンハンセン、と」
text by
酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph byNick Laham/Getty Images
posted2024/09/16 12:05
ヤンキース時代の井川慶。マイナー時代に経験した驚きのエピソードとは
「もう1年ぐらい、ちょっと野球をやりたいイメージがあるんです。だから、体を動かしています」
聞いている私も、もう驚かない。
eスポーツとか、プレーヤーでいたいんですよね
じゃあ、本当にボールとグラブを置いたあとは何をするのか。
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「自分は勝負事が好きなんです。誰かと対戦するために対策するというのが好きで」
若い頃から「極める」という言葉が好きだった。それはこれからも変わらない。きっとなにかの世界で躍動しているのだろう。
「たとえば、eスポーツとかね。ずっとプレーヤーでいたいんですよね」
話を聞き終わったとき、外は暗くなり、雨はやんでいた。
「ここってどうやって行けばいいですかね」
そう言ってスマートフォンのルート検索で示したのは、また電車の駅だった。
過去に縛られず、何事にもとらわれず、ありのままに生きる。肩をそびやかすこともなく、雑踏のなかに消えていった。<第1回“誤解された阪神時代”編からつづく>