KOを望まずに試合に臨んだことはない。10秒で戦い終えたとしても同じ報酬を受け取るのがプロボクシングなんだから、井上も考えは同じだろう。だからどんな相手だろうと私はKOを望んで戦い、この試合でもそれは変わらない。

　とはいえ、初回から無鉄砲に攻勢に出て、ラッキーパンチを狙うつもりはないよ。私の能力とヘクターの知識を組み合わせ、適応すれば、井上にとって難しい試合を強いることができると信じている。

　私はサッカーの大ファンだが、ボクシングにおける4団体統一戦は欧州サッカーのチャンピオンズリーグ決勝のようなものだ。私にとっても夢の舞台であり、そこで是非とも素晴らしい戦いを見せたい。そして、試合を終えたら、日本で何日かゆっくりと過ごしたいと思っている。

杉浦氏のインタビューに応じるドヘニー（筆者撮影）

　これまで日本での試合の際は終了翌日、すぐに帰国せねばならなかった。今回は何日か滞在し、日本のカルチャーを満喫するつもりだ。もう体重も何も気にせず、寿司、刺身、和牛ステーキを食べてリラックスしたい。ビジネスモードではなく、休日モードで日本での日々を過ごしたいんだ。それらの時間を最高のものにするためにも、まずは井上に勝たなければいけない。PFP最強の王者との対戦は、私が自身の力を証明する舞台になるのだろう。