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「最近はまず考えるようになった」30歳井上尚弥が米メディアに本音で語った“ラスト5年”のボクシング「常に一番強い井上尚弥を見せたい」

posted2024/03/15 11:05

 
「最近はまず考えるようになった」30歳井上尚弥が米メディアに本音で語った“ラスト5年”のボクシング「常に一番強い井上尚弥を見せたい」<Number Web> photograph by Naoki Fukuda

米リングマガジンのロングインタビューに応じた井上尚弥(30歳)。本稿では、その日本語版を特別に全文掲載する

text by

杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

PROFILE

photograph by

Naoki Fukuda

前編に引き続き、今年1月27日に実施された米老舗雑誌「リングマガジン」のロングインタビューを日本語翻訳版でお届けする。後編では2024年のスケジュールや引退後のビジョンまで明かしている。(全2回の後編)

「今年はスーパーバンタムで3試合」

――もう何度も聞かれていることかと思いますが、スーパーバンタム級ではあとどのくらい戦うつもりですか?

井上尚弥(以下、NI) 今年、とりあえず3試合をこなす予定ではいます。この3試合は必ずスーパーバンタム級でやると思うんですけど、あとは来年になって自分の身体がどうなっているか、そこ次第ですかね。

――5月のあと、9月、12月とかそういう感じでしょうか。

NI それぐらいのスパンでやると思います。

――前回話した時、たぶんフェザー級までだと話していましたが、今でも同じように考ていますか?

NI いってもフェザー級までじゃないですか。

――骨格のこととか考慮して。

NI そうですね。

――海外では井上選手の階級に対する考え方がしっかり伝わっていない気がします。依然として執拗にWBAライト級王者のジャーボンテイ・デービス(アメリカ)との対戦を待望する声も出ますが、階級を上げるのは「勝てそう」とか「稼げそう」といった理由ではなく、あくまでパフォーマンス次第ということですよね?

NI そうです。

――自分のベストが出せる階級がスーパーバンタム級、フェザー級ということですよね?

NI はい、そのあたりまでですよね。一番強い自分、ベストの井上尚弥というのを常に見せていきたいんです。ファイトマネーが高いからって、今からフェザー級、スーパーフェザー級でやるのかといったらそれはまた違うと思います。それを追い求めていって、やっぱりパフォーマンスがまったく出せなくて、終わっていった選手っていっぱいいるじゃないですか。ボクシングをやっている理由はお金じゃなく、自分がどう満足するか、どれだけベストが出せるかっていうところ。強い相手と戦うことにモチベーションがあるというのも確かにそうなんですけど、それをいったら階級制のスポーツじゃなくなってしまいますよね。

――スーパーバンタム級でも体重調整は容易ではないんでしょうか?

NI (減量は)割とありますよ。普段の体重が64、65kgくらいはあるので、9kg、10kgは落とします。でもそこまで苦にはならないですね。

――フェザー級に上げるとなれば、身体は作り直しになるんでしょうか?

NI 作り直しというか、フェザー級の身体に来た時に上げるっていうイメージです。フェザー級にいくために作るんじゃなく。これまで(の昇級の過程)もずっとそうです。

【次ページ】 「アメリカでの知名度は気にするようになった」

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