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井上尚弥vs中谷潤人「日本ボクシングは物事の進め方が本当にうまい」英国人記者が驚いたベストカード実現の背景「欧米の放送局も“KO集”をつくるべきだ」

posted2026/03/07 11:01

 
井上尚弥vs中谷潤人「日本ボクシングは物事の進め方が本当にうまい」英国人記者が驚いたベストカード実現の背景「欧米の放送局も“KO集”をつくるべきだ」<Number Web> photograph by Hiroaki Finito Yamaguchi

3月6日、記者会見で顔を合わせた井上尚弥と中谷潤人。世紀の一戦は『THE DAY やがて、伝説と呼ばれる日。』と銘打たれた

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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Hiroaki Finito Yamaguchi

待望のカードがついに正式発表された。井上尚弥vs中谷潤人の一戦を、海外記者はどう捉えているのだろうか〈全2回〉

 いよいよこの時がやってきた。4階級制覇王者で現在は世界スーパーバンタム級の4冠王座を保持する“モンスター”井上尚弥(大橋)が、こちらも3階級制覇王者の“ビッグバン”中谷潤人(M.T)の挑戦を受けるタイトル戦が5月2日、東京ドームで実現する。

 ついに正式発表されたこの一戦の意味と価値はもう説明の必要もあるまい。“日本ボクシング史上最大”の一戦として長く語り継がれるはずだ。今戦に注目しているのはもちろん日本のファン、関係者だけではない。リングマガジンの編集人を務める英国人ライター、トム・グレイ氏はもう長きにわたって日本のトップボクサーたちを追いかけてきた人物。井上、中谷にも特別な思いを持つグレイ氏もまた軽量級スーパーファイトの実現に興奮を抑えられないようだった。(以下、グレイ氏の一人語り)

破壊力が生む“最高級の緊張感”

 イノウエとナカタニの対戦は日本最高のマッチアップというだけではなく、私にとっては現在の世界ボクシング界でベストのカードだ。

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 もちろん、誰もがその意見に同意するとは言わない。デビン・ヘイニー対ライアン・ガルシアのリマッチ、シャクール・スティーブンソン対ヘイニー戦、ジャロン・エニス対バージル・オルティス戦といったカードこそがベストファイトだという人もいるのだろう。実際にはそれらも非常に魅力的なカードであることを私も否定はしないし、中でも1月31日にニューヨークでテオフィモ・ロペスを完封したシャクールは今後、多くのビッグイベントの主役になっていくのだろう。

 ただ、彼らの試合もビッグファイトではあっても、イノウエ対ナカタニ戦には大きな違いがある。5月2日、東京ドームでの一戦では試合が続く限り、私たちは『今この瞬間に誰かが倒れるかもしれない』と感じながら戦いを見守ることになる。両者はともに見事なまでの破壊力を持っており、そしてどちらも被弾する可能性がある。だからこそ、そこで生まれる緊張感は最高級なのだ。現代ボクシングの他のどんなカードも、イノウエとナカタニが生み出す空気は供給できないと私は思っている。

【次ページ】 「日本ボクシング界は物事の進め方がうまい」

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