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「(本塁打数は)目的にならない、勝つための手段」底知れぬ男、大谷翔平…数字に熱狂するファンの夢「50-50」さえ超える“究極の目標”とは 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byKatelyn Mulcahy/Getty Images

posted2024/08/28 17:00

「(本塁打数は)目的にならない、勝つための手段」底知れぬ男、大谷翔平…数字に熱狂するファンの夢「50-50」さえ超える“究極の目標”とは<Number Web> photograph by Katelyn Mulcahy/Getty Images

サヨナラ満塁HRで40-40を達成して祝福される。大谷の望みはワールドシリーズでこんな場面を再現することか

「まず優勝することを目指しながら、そのところで欠かせなかったと言われる存在にやっぱりなりたいです」

 だからといって、個人成績を軽視しているはずもない。たとえ、自分の成績が低迷したとしてもチームが勝てばいい、との思考であれば、本当のプロフェッショナルとは呼べない。むしろ、大谷の場合、こと野球に関しては、誰よりも貪欲で、周囲から絶賛されるような結果を残したとしても、おそらく満足することはない。「40-40」を達成した直後、次の数字を問われた際には、表情を変えることなく、サラリと言った。

「数が増えるということは勝つ確率も高くなって来るということなので。これからもっと大事にして、自分の数字が上がってくると同時にチームが勝てるように頑張りたいと思います」

大谷の究極の目標とは…?

 今年に限らず、今後、大谷が「50本塁打」や投手としての「20勝」など、具体的な数字を目標に掲げることは、おそらくないのだろう。

 極論すれば、「野球少年」の大谷は、極度の欲張りで、チームとしての世界一、打者としての「3冠王」、投手としての「サイ・ヤング賞」を、すべて同時に手に入れることが、究極の目標なのかもしれない。

 球界の常識をことごとく覆し、今や円熟期に入ってきた大谷であれば、それらすべてが不可能ではない。

 今後、史上初の「45-45」、さらに「50-50」を達成したとしても、大谷は爽やかな笑みを浮かべたまま、「勝つために、もっともっと頑張りたい」と、これまでと同じフレーズで締めくくるに違いない。

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大谷翔平
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