大谷翔平「サヨナラ満塁弾で最速40-40＋盗塁成功率.909」「50-50」だけでなく…“大谷にしか狙えない”マンガ超え前代未聞の大記録とは

「東北の純朴な少年がプロ野球で活躍して、アメリカに渡って投げてはエース、打ってはスラッガーで、40-40をサヨナラ満塁ホームランで決める、っていうストーリーどうかな？」

　編集デスクが言ったら部下から「そんなの、小学生だって読まないっすよ！」と言われるに違いない。

　もう大谷翔平の「マンガ以上」は慣れっこになったつもりでいたが、これには本当に参った。NHK BSで解説の岩村明憲が「神です」と評していたのも、なんら大げさな表現ではない。筆者は当日にドジャース戦直後に京セラドームへ試合観戦に行ったが「うそ？ 大谷が満塁サヨナラホームラン」とか「信じられへん！」みたいな声が客席から出ていた。

大谷の40号本塁打。サヨナラ満塁ホームラン自体も自身初である　©Getty Images

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　ご存じの通り――大谷がMLB6人目の「40-40」、40本塁打40盗塁を達成した。この記録は、これまでたった6人しか達成していない。大谷は現地時間8月23日時点、他の選手はシーズン最終成績。

1988年/ホセ・カンセコ（アスレチックス）23歳
158試610打187安42本124点40盗16死 率.307 OPS.960
※本塁打王、打点王

1996年/バリー・ボンズ（ジャイアンツ）31歳
158試517打159安42本129点40盗7死 率.308 OPS1.076

1998年/アレックス・ロドリゲス（マリナーズ）22歳
161試686打213安42本124点46盗13死 率.310 OPS.920
※リーグ最多安打

2006年/アルフォンソ・ソリアーノ（ナショナルズ）30歳
159試647打179安46本95点41盗17死 率.277 OPS.911

2023年/ロナルド・アクーニャJr.（ブレーブス）25歳
159試643打217安41本106点73盗14死 率.337 OPS1.012
※盗塁王（盗塁死もリーグトップ）、リーグ最高OPS、最多安打

2024年/大谷翔平（ドジャース）30歳
126試500打146安40本92点40盗4死 率.292 OPS.992
※リーグ最多本塁打、最高OPS

　このコラムでは以前、「30-30」も紹介した。150年を超すMLBの歴史で30-30は延べ69人しか達成していない。ノーヒットノーランより希少な記録だが、40-40は、大谷翔平でやっと6人目だ。これがどれくらいすごい記録であるかがわかるだろう。

「40-40」がメジャーで究極の目標になるまでの歴史

　あらためて、メジャーリーグにおける「40-40」が特大の価値を持つまでの歴史を振り返ろう。

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