久保のベンチスタートの報を受け真っ先に思い浮かべたのは、前節、相手と競り合った際にバランスを失い背中からピッチへ叩きつけられたこと。その影響があるのではないかという見立てだった。

　ただ試合前ピッチでアップを行う久保は軽快な動きを見せており、また見える範囲でのテーピングなどもないようだった。

　この時点では、同じくサブのウマル・サディクと談笑するシーンや、ボール回しでミスした際に「オレのミスじゃないよ（笑）」とばかりに茶目っ気をみせている。

　選手入場時のベンチでも――もちろんベンチスタートに満足するはずはなかったが――久保が主体となって会話を交わすなど、昨シーズンのベンチスタートとなった際と何ら違いを感じることはなかった。

敵地バルセロナながら〈Take！〉と期待する声も

　ハーフタイムにも通常通り、全体でのアップに参加しており、ヒールリフトで相手をかわすシーンもあった。そして後半がスタートすると、久保は最初のアップメンバーとしてビブスを羽織りピッチ脇でアップに臨んだ。

　両チーム共に青と白の縦縞がホームユニフォームのため見分けるのは至難の業だったが、メインスタンド、ゴール裏席にもソシエダファンの姿は多く見ることができ〈Take！〉という大きな声援が飛んでいた。その中には「夏休みを利用して家族旅行を兼ねてサンセバスチャンからやってきた」という家族の姿も。またエスパニョールのユニホームを着用しているものの、久保の選手カードを持参しサインをねだる少年ファンの姿もあったほどだ。

チームの勝利のため、審判にも果敢に抗議

　後半序盤には、ラインズマンによる明らかな誤審が起きたが、審判に近寄り笑顔を交えながら抗議をしており、チーム内での軋轢を感じさせる予兆はなかったが……。

途中出場直前、久保の雰囲気に変化を感じた

　久保とジョン・アンデル・オラサガスティの2名同時に交代の声がかかり、準備を進める。

指示を受ける中、久保の表情に変化が起きたように感じた

　いつも通り（元々、久保は交代出場時にガッツリとではなく、淡々と聞いているタイプである）指揮官の指示に耳を傾けているように見えたが、不意に表情が強張ったように見えた。

　1枚の写真の切り抜きのように思えるが、この前後で久保の醸す雰囲気に変化が起きたように感じられた。またこのタイミングでイマノルは急遽、2枚交代からサディクも加えた3枚交代に踏み切った。

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