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バスケットボールPRESSBACK NUMBER
「塁さん、雄太さんと交互に…毎日、練習が楽しみだった」バスケ代表ジェイコブス晶(20歳)が語る、パリ五輪で得た“デカすぎる財産”
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byKaoru Watanabe/JMPA
posted2024/08/27 11:02
パリ五輪で大きな経験を積んだジェイコブス晶。2004年4月13日生まれの20歳、身長206cm
練習で印象深いのはその2人だったとして、強化試合、五輪で対戦した中ではドイツのフランツ・バグナーもすごかったですね。
バグナーは前に誰がいても自分のスポットにいくっていうところが塁さんに似ています。どうやってディフェンスしても、自分がいきたいところにいくのが彼のスキル。違う方向の方が空いているんじゃないかなという場面でも、無理やり自分が好むところにいって、バグナーはそれで実際に決め切ってしまうんです。
あとはニコラ・ヨキッチとか、ビクター・ウェンバンヤマとか、NBAのスーパースターとも何ポゼッションかマッチアップできたおかげで本当にいい勉強をさせてもらいました。
4年後は“大事な場面”でコートに
今回は日本代表の12人に残れて嬉しかったですし、プレー時間をもらえなかったのは仕方なかったと思っています。もともと2028年のロス五輪には何とか出場したいと思っていたくらいですから。ただ、ここで貴重な経験を積んで、今後はチームにもっと大きなインパクトを与える選手になっていきたいです。スキルを磨いて、第4クォーターとか大事な場面でコートに立てるようになりたいですね。
具体的にはホーバスHCから「ウイングの選手としての向上を期待している」と言われています。コーチが僕のシュート力を信頼してくれているのはさっき言った通りです。それに加えて、身長の高いウイングプレーヤーとしてペイントアタック、ディフェンスもできるように。シューターとしてのプレーを続けた上で、オールラウンダーとしても成長してほしいということですね。
以前、雄太さんが「後に続く世代には渡邊雄太を目標にしないでほしい。もっとすごい選手を目標にしてほしい」と話していたということですが、実際に僕にとってのアイドルだった塁さんや雄太さんを超えたいという気持ちも持っています。どんな選手でも、それはバスケットボール選手なら持つべき思いのはずです。
日本のバスケは徐々に強くなって、今ではFIBAランキングでも21位まで上がってきました。でも、これで終わりじゃないですよ。もっとレベル上げたいですし、そのためには自分ももっと活躍しなければいけません。日本のバスケ界全体が上がっていけば、いつか世界のトップにいけると思っています。だから雄太さんとか、これまで引っ張ってくれた人たちを“超える・超えたい”という気持ちで、練習や試合をこなしていかなければいけないと思っています。
(後編に続く)