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甲子園で話題「野球部員なのに…なぜダンスがこんなにうまい?」滋賀学園の応援団長に直撃「マキヒカさん、ほんとおもしろい」「夜な夜な練習」
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2024/08/19 06:00
高校野球で話題…滋賀学園のダンスとは? 応援団長に直撃
『A列車で行こう』の振り付けは、汽車がシュッシュッポッポッと走る様子を再現。ジャジーな演奏にキレのあるダンスという楽しい応援風景は、スタンドで観戦している地元の少年野球チームの子どもたちにすぐさま伝播。皆いっせいに野球部のマネをして踊り出し、「このようにして人気の応援は広まっていくのだなあ……」と、肌で感じた。現在多くの学校が取り入れている、『サンバ・デ・ジャネイロ』に「アゲアゲホイホイ」というコールをつけた応援も、10年ほど前に報徳学園が考案し、球場で披露するやいなや、「真っ先に子どもたちがマネをして広がっていった」と、今回報徳学園野球部OBに聞いたこともあり、滋賀学園のダンス応援にも同じことを感じたのだ。
いつ練習してる? 部員ダンスの実態
それにしても、この統率の取れたクオリティの高いダンスは一体いつ練習しているのだろうか。野球の練習をしっかりとしているのは言わずもがな、彼ら野球部は、71人中70人が寮生活のため、寮に帰ってからミーティングを重ねて振り付けを考え、夜な夜な練習しているという。
野球部応援団長の荒井浩志さん(3年)は、「野球部はクセが強いやつばかりなんですよ」と笑いながら、応援を考える苦労や楽しさを話してくれた。
「個性やクセが強い部員が多いので、まとめるのも大変なんです。野球の練習が終わってから、寮でYouTubeやTikTokなどの動画を見ながら『こんな振り付けどうかな?』とみんなで話し合いながら練習しています」(荒井さん)
振り付けの参考にしているのは、人気YouTuber、インフルエンサーのマキヒカ氏。本田圭佑のモノマネで人気を集めており、SNSやYouTubeの総フォロワー数は150万人を超える。
「マキヒカさん、ほんとおもしろいっすよ! みんなでよく見てダンスの参考にしています」(荒井さん)
さっそくマキヒカ氏のTikTokを見てみると、関西ならではのノリや笑いの要素など、たしかに滋賀学園応援の原型があるように感じた。ユーモアのある振り付けや表情は、他の学校にはないオリジナリティといえるだろう。