お披露目試合で無様に終わることはできないと思ったかどうかは分からないが——スタジアムからはブーイングも聞こえ始めると、バルサは、ユーロへ参加していたフェラン・トーレス、ヤマルを含む4枚を同時交代。特にヤマルへは大きな歓声が送られた。

　ヤマルはピッチへ入るや否や、格の違いを見せつける。ドリブルからのスルーパス、カットインからのシュートと、ゴールチャンスを創出した。ただゴールを奪えないでいると、終了間際、モナコのカウンターから痛恨の3失点目を奪われてしまった。

ダメ押し点を決めた仲間にベンチで笑顔

　すでに交代でピッチを後にしていた南野もベンチから笑顔でゴールを祝福する場面が見られた。昨季のリーグアンで9ゴールを挙げ、CLに参戦する今季に向けての充実ぶりを感じさせる出来だった。81分にピッチを去る際には、ややふくらはぎを気にする様子があったのは気がかりだが――。

ダメ押し点にベンチの南野にも笑顔が

試合終了後には、最前列の日本人サポーターへのファンサービスも

　試合は前述したように、0−3のまま終わりを迎えた。

　バルサにとっては、フレンキー・デヨング、ペドリ、ガビなど中盤の要を怪我で欠くという言い訳はあるものの、ガンペール杯での敗戦は12年ぶりとなるなど、開幕に向けて不安の募る結果、内容となってしまった。

　ヤマルが交代でピッチへ入る際の歓声がこの日一番の盛り上がりだっただろうか。

　そして迎えた17日、バルサはバレンシアと敵地で対戦し、レバンドフスキの2ゴールで2－1で勝利した。そしてモナコは同日にサンテティエンヌとの開幕戦に臨み、南野はバルサ戦と同じく右サイドMFの位置に。20分のゴールネットを揺らした際には得点が取り消されたものの、その8分後には最終ラインの裏抜けからループシュート。一度はオフサイド判定が下る中でVARによってゴールが認められ、チームも南野の一撃によって1－0で勝利をものにした。

　ヨーロッパ各国で熱戦の火ぶたが切って落とされた2024－25シーズン、バルサと南野ともに好スタートを切った。