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「トップ下でなく右サイドで!」南野拓実開幕戦ゴールの伏線…バルサを翻弄アシスト「特筆すべき運動量」カメラマンが生で見た29歳の新境地
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/08/18 17:01
バルサ相手に躍動した南野拓実。23-24シーズンの9ゴール以上の活躍を見せられるか
A代表にはフェラン・トーレスにペドリ、また17歳ながら優勝の立役者となったラミン・ヤマル、新加入となるダニ オルモ。U-23代表にはエリック・ガルシアとパウ・クバルシがそれぞれ獲得したメダルのお披露目も行われ、盛大な歓声に包まれた。
ただ先発メンバーに、この夏の熱戦を戦った彼らの名はなかった。
また21歳のフェルミン・ロペスに至ってはユーロ、オリンピックの両大会に参加。完全なオフが必要とされ、このお披露目にも姿を現すことはなかった。過密日程のオリンピックで計6ゴール、そのうち決勝と準々決勝の日本戦でそれぞれ2得点を挙げただけに、まずは肉体を癒すことが優先されたか。
ラ・リーガ開幕を1週間後に控える中、バルサを含め多くの代表選手を抱えるクラブでは、主力選手をプレシーズンの間にチームに組み入れることができず、チーム作りの難しさを感じさせる。
南野の精力的な運動量は特筆すべきレベル
一方、モナコのスターティングメンバーには、南野を筆頭に昨季の主力クラスの名が並んだ。モロッコ代表としてオリンピックで3位となったエリーゼ・ベン・セギルも先発出場したほどだ。
前半は、キックオフ早々バルサが決定機をつくるなどバルサのポゼッションがモナコを上回る展開が続いた。その中でこれまで主に任されてきたトップ下でなく――右サイドへ入った南野の精力的な運動量は、特筆すべきものがあった。
2列目からの飛び出す動き、また中盤でボールを引き出すとワンタッチでターンするなど技術の高さも見せた。守備面でも、相手CBにまで積極的にプレスをかけ、少しでも流れを引き戻そうとする姿が撮影できた。
そして前半終盤には、相手守備ライン裏へ飛び出しパスを受けると、あわやPKかというタックルを受けた(ただオフサイドとなってしまったのだが)。
得点が生まれないまま迎えた後半開始早々、モナコMFラミン・カマラがバルサのミスを見逃さずパスをカットすると、そのままシュート。モナコが先制点を奪った。
アシスト後にはもみくちゃに
さらに57分、ピッチ中央でバルサ2ボランチの間を取る南野へくさびのパスが入る。
これを受けた南野が反転しながら前向きにコントロールすると、すかさず喰らいつく相手のプレスをさらに360度回転しながらヒラリとかわす。背後から詰め寄ったギュンドアンのプレスもしっかり背中でブロックすると、FWエンボロへとラストパスを送った。
南野が魅せた中盤での落ち着きからモナコが追加点を奪うことに成功した。
ゴール後のセレブレーションでは、ゴールを奪ったエンボロ同様、もみくちゃにされる南野の様子が撮影できた。