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「これがフランスだ」パリ五輪“お粗末運営”に失望の声…現地記者が聞いた“選手の本音”「選手村は盗難が怖い」「東京五輪はもっと評価されるべき」
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byJIJI PRESS
posted2024/08/09 11:01
IOCのトーマス・バッハ会長とフランスのエマニュエル・マクロン大統領。意気軒昂と開幕したパリ五輪だが、さまざまな課題が浮き彫りになっている
「東京五輪はもっと評価されるべき」パリとの違い
運営面でさまざまな課題が指摘されるパリ五輪。果たして、東京五輪と比べて、どう評価されているのだろうか。
東京五輪とパリ五輪に出場したトライアスロンのニナー賢治に英語で聞いた。パース生まれで、オーストラリアの大学を卒業し、2021年に日本国籍を取得した31歳。多角的な視点を持つミックスルーツのアスリートは、東京五輪と比較してこう語る。
「選手村のインフラや競技イベントの進行を見ていくと全然違います。日本は組織や運営に関してうまくまとめることで世界的によく知られています。残念なことにコロナ禍がありましたが、最善を尽くして、最高のオリンピックを開催しようとしました。それは非常に難しいプロジェクトでした。他のどの国もそれができたとは思いません。ウイルスを封じ込めつつ他の国でオリンピックを開催するのはほぼ不可能なのかなと思っています」
批判が渦巻く中で行われた東京五輪。もしコロナが直撃していなかったら……そう考えた人がどれほどいただろう。ニナーは開催した日本への感謝を口にする。
「それでも日本はやり遂げたのです。日本のひとたちがどれだけこれを評価しているかは分かりませんが、選手として私は非常に感謝しています。その点でもっともっと評価されるべきです」
<「セーヌ川問題」編とあわせてお読みください>