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食べ残しに嘔吐…問われる“大食いのモラル”、女王アンジェラ佐藤はこう考える「私は絶対に残さない」「YouTubeは見せ方、容姿が重要に」
posted2022/11/30 11:03
text by
荘司結有Yu Shoji
photograph by
本人提供
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対戦相手はオットセイ?
アザラシ、ベンガルトラ、ハイエナ、ポニー、ライオン、オットセイ……。最大で寿司222貫、ラーメン32杯を平らげ、女性大食い選手の“平成四天王”のひとりに数えられるアンジェラ佐藤の戦う相手は、もはや人間ではない。
「毎年、地元にある動物園の『ノースサファリサッポロ』で、色んな動物たちと戦っているんです。他にも『北斗の拳』でラオウが乗っている黒王号というバカでかい馬とも戦い……どれも強敵揃いなんですよね。3日間連続の三本勝負で、今年のイベントではオットセイと戦いました」
今年7月の対オットセイ戦は魚勝負だった。1日目はオットセイ、2日目はアンジェラがそれぞれ白星をとり、勝負の行方は最終3日目に持ち越し。アンジェラが刺身3kg、オットセイが生魚3kgの早食い勝負では、惜しくもアンジェラが刺身半皿を残して敗北を喫した。
「ちなみに今まで戦った動物の中で一番大食いが強いのはどの子だと思います?」とアンジェラ。何となく獰猛なイメージでトラとハイエナを挙げたが、正解は意外な動物だった。
「皆さんにこの質問をすると大体ライオンやトラと答えるのですが、正解はアザラシなんです。なぜかと言うと、アザラシは1kgもある魚をまるごと飲み込むんですよ。胃の容量も5kgくらいあるので、制限時間15分の戦いだと絶対に敵わない。食材の打ち合わせの際には生卵とかとろろ芋とか、噛まなくても飲み込めるようにトッピングを用意してもらって。対策といってもそれくらいしかないんですよね」
現在の仕事の中心は?
大食い界広しといえども、動物とのフードファイトに本気で取り組んでいるのはアンジェラくらいではないだろうか。
「多分世界でも私くらいじゃないですかね。もしかしたらギネス申請できるかな(笑)。次に戦ってみたい動物ですか? 私は猫が好きなので、猫カフェの猫ちゃん10匹と戦ってみたいですね。意外とほのぼのとしていていいかもしれません」
このノースサファリでの営業をはじめ、近年は北海道でのアンバサダー活動が仕事の多くを占めている。北海道産牛肉PR大使に任命されるなど、地元の食の魅力を発信。そのツールのひとつに使っているのが、YouTubeだ。
「大食いの私が有名になることで、さらに北海道の食を盛り上げることができると思うんです。私がこれだけ大食いなのは、豊かな自然の中で育った北海道の食べ物が栄養価も高くてとにかく美味しいから、という理由付けもできますし。食レポの上手なアナウンサーやタレントさんよりも、たくさん食べられることを武器にできますから」
チャンネル登録者数11.4万人のYouTubeチャンネルでは、北海道内の朝食バイキングや激安食べ放題店での大食いチャレンジを更新中。普段は『水曜日のダウンタウン』などテレビのバラエティで活躍する彼女だが、YouTubeではまた違う難しさを感じているという。