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「GKコクボは驚異的セーブで当然MVP。物足りない2人は…」ブラジル人記者の五輪サッカー男子ガチ評価「スペインに弱点が」予想先発は?
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTakuya Nakachi/JMPA
posted2024/08/02 12:46
今大会でビッグセーブを連発する小久保玲央ブライアン。チアゴ記者も現時点でのMVPだと高く評価する
「五輪は中2日の試合が続く過酷な日程だけに、CB高井幸大(川崎フロンターレ)、MF藤田譲瑠チマ(シント・トロイデン)らを少し休ませることができた。また、引き分けでも首位突破という状況であまり無理をする必要がなかったから、多少は体力を温存できた。さらに、この試合も無失点で終えることができたのは、チームにとって大きな自信となったはずだ」
――守備陣がGS3試合を無失点で切り抜けることができた最大の要因をどう考えますか?
「アタッカーたちによる高い位置からの献身的なプレス、中盤での適切なマークの受け渡し、最終ラインの選手たちの頑張り――。そして、GK小久保の驚異的なセーブの数々があった」
MVPは文句なしにコクボ。物足りない2人は…
――攻撃陣に関しては?
「パラグアイ戦で、前半のうちに相手選手が退場して数的優位になったとはいえ、MF三戸舜介(スパルタ)、FW斉藤光毅(ロンメル)、藤尾翔太(町田ゼルビア)が素晴らしいプレーをみせた。FW平河悠(ブリストル・シティ)が故障したのは残念だが、佐藤がU-23アジアカップのときとは別人のようなプレーを見せている。細谷もチームに貢献するプレーを続け、イスラエル戦で得点をあげた」
――とはいえ、マリ戦、イスラエル戦ではなかなか点が取れなかった。
「相手の厳しいマークを受けて、パスやシュートの精度が物足りなかった。この点は、チームとしての課題だろう」
――GSにおける日本のMVPは?
「文句なしにGK小久保。彼のスーパーセーブなしに3試合無失点はありえなかった。MF藤田の攻守両面での活躍、三戸の切れ味鋭いドリブル突破も素晴らしかった」
――少し物足りなかった選手、奮起を期待したい選手は?
「持っている実力を踏まえれば、MFの山田楓喜(東京ヴェルディ)と荒木遼太郎(FC東京)だ」
スペインにも“弱点”はある
――ただ、せっかくGSを首位で勝ち上がったのに、準々決勝の対戦相手は優勝候補のスペイン。彼らはGSでウズベキスタンとドミニカ共和国を倒したが、最後のエジプト戦でターンオーバーを行なって1-2で敗れ、最終的にGS2位となった。