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「キレてなーいで一世風靡」マイク・ベルナルド“あの伝説KO”を覚えているか?「最強のアーツが吹っ飛んだ…」カメラマンが感じた“パンチの風圧” 

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長尾迪

長尾迪Susumu Nagao

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photograph bySusumu Nagao

posted2024/07/28 11:00

「キレてなーいで一世風靡」マイク・ベルナルド“あの伝説KO”を覚えているか?「最強のアーツが吹っ飛んだ…」カメラマンが感じた“パンチの風圧”<Number Web> photograph by Susumu Nagao

すさまじいパンチ力を誇ったマイク・ベルナルド。K-1全盛期に「四天王」のひとりとして活躍した

「キレてなーい」で一世風靡…人気者の“ベルちゃん”に

 全体重を拳に乗せて振り切ることで生み出された、ベルナルドの大砲。リングサイドで撮影していて、“ブワァーン”という風圧を感じるほどだった。対戦相手を身体ごと吹き飛ばすような荒業ができたのは、怪物揃いの当時のK-1でもベルナルドくらいだろう。いや、そんな選手はいまだに彼しか知らない。

 アーツを破ったベルナルドは準決勝で武蔵に判定勝ちし、決勝戦でフグと対峙する。しかし、アーツと武蔵のローキックを浴び続けたことによる脚のダメージは明らかで、立っているのが不思議なほどだった。フグとの決勝戦ではその脚を狙われ、2ラウンドKO負け。だが、最強と目されていたアーツを凄まじい一撃で粉砕したベルナルドは、紛れもない“K-1の主役”のひとりに躍り出た。

 この準優勝をきっかけに、ベルナルドは試合以外にも活躍の場を広げていく。

 スキンヘッドで怖そうな見た目と、穏やかな性格のギャップが絶妙だったのだろう。「キレてなーい」というセリフが印象的な剃刀のCMに起用され、テレビのバラエティ番組にも出演。サービス精神も旺盛で、当時大流行した一発芸「だっちゅーの」をマネたりと、いつしか“ベルちゃん”と呼ばれて親しまれるようになった。

 そんなベルナルドが、42歳の若さで亡くなってしまうなど、当時は想像することもできなかった。彼との忘れがたい思い出を、あらためて回想したい。

<続く>

#2に続く
42歳で死去…いったいなぜ? マイク・ベルナルド「日本人に愛された剛腕の悲劇」カメラマンが見た“忘れられない光景”「暗闇の中で聖書を…」

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