格闘技PRESSBACK NUMBER
“憧れ”の朝倉未来を超えられるか?「モノが違う」秋元強真20歳の衝撃…元Bellator王者を“圧巻TKO”「この先の10年、俺がRIZINを背負っていくんで」
posted2026/03/15 17:00
秋元強真の強烈なパンチで崩れ落ちるパッチー・ミックス。RIZINの未来を担う逸材が、世界レベルの強豪を圧倒した
text by

布施鋼治Koji Fuse
photograph by
RIZIN FF Susumu Nagao
「昨日の秋元の試合見た?」
3月7日に有明アリーナで行われた『RIZIN.52』の翌朝、別の取材で大阪に足を運んだ。現地の私鉄に乗っていると、10代の若者3人が秋元強真の話題で盛り上がっていた。
話を仲間に振った1人が、秋元のパウンドを真似ながら力説した。
ADVERTISEMENT
「あのパンチ、カッケぇよな」
試合前の勝敗予想は“圧倒的に劣勢”だった
那須川天心や武尊がそうであるように、公共の場で話題になる選手の人気はホンモノといっていい。彼らの会話に耳を傾けながら、「秋元強真の時代が来るかもしれない」という想像を膨らませた。
新しい時代はインパクトの強い試合が切り開く。桜庭和志がホイス・グレイシーをのべ90分にわたる激闘の末にTKOで下した東京ドームでの一戦や、天心が当時ルンピニー・スタジアム認定スーパーフライ級王者だったワンチャローン・PKセンチャイジムをバックスピンキック一発でKOした一戦など、まさにそうだった。
秋元がパッチー・ミックスにTKOで勝つなんて、いったい誰が予想できたであろうか。試合前、海外のファンの投票による勝敗予想サイト「TAPOLOGY」では、実に75%が「ミックスの勝利」を予想していた。
今回が2度目の来日となるミックスは元UFCファイターで、過去にBellator世界バンタム級王者を獲得している。日本のファンにとっては、Bellatorバンタム級ワールドグランプリ1回戦であの堀口恭司から5ラウンド判定勝ちを収めた試合が強く印象に残っているはずだ。
レスリング出身らしくバックテイクの技術に長けており、20勝のうち実に6割以上でリアネイキッドチョークなどの極め技による一本を奪っている。「グラウンドの展開になれば、ミックスが秋元を圧倒するだろう」と予想する声が多かったのも頷かざるをえない。
その極めの強さを裏付けるように、2019年12月31日の『RIZIN.20』で組まれたRIZINとBellatorの対抗戦では副将戦に出場し、元谷友貴をフロントチョークで仕留めている。タップアウトを奪うまでに要した時間はわずか1分37秒だった。
奇しくも秋元は18歳だった2024年の大晦日、その元谷にプロ格闘家としての初黒星をつけられ、再スタートを切ることになった。「勝てないまでも、ミックスに善戦すれば明日につながるのではないか」。シビアに勝敗予想をするなら、そんな見立てとともにミックスの判定勝ちか一本勝ちをイメージするしか選択肢はなかった。

